従業員の健康状態が悪くなれば従業員が生き生きと働けなくなるだけでなく、企業の業績にマイナスの影響が出る可能性もあります。

従業員の運動不足を解決するため、世代を問わず気軽に取り組めるウォーキングに注目する企業は多いです。しかし本当にウォーキングに健康効果があるのか、疑問に感じる方もいるでしょう。

そこで今回は、研究機関や政府が公表するデータなどを基に、ウォーキングの健康効果を紹介します。

会社としてウォーキング関連の取り組みを始めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

ウォーキングが与える健康効果

研究の結果、ウォーキングにはさまざまな病気への予防効果があると明らかになっています。ウォーキングの効果を広め、目的をもって取り組んでもらいましょう。

 

生活習慣病の予防

ウォーキングを含む運動には、生活習慣病の予防効果があります。

生活習慣病とは、食事や運動、喫煙など生活習慣の乱れが原因によって引き起こる病気の総称です。

運動不足によって起こる生活習慣病には、以下のものがあります。

  • 循環器系:高血圧・心筋梗塞・狭心症・低血圧・動脈硬化
  • 代謝系:糖尿病・脂質異常症・痛風など
  • 精神系:うつ病・自立神経失調症など
  • 呼吸器系:息切れ・去痰障害など
  • 消化器系:便秘・食欲低下・十二指腸潰瘍など

生活習慣病を予防するためには、基準値を満たす身体活動量(23メッツ・時/週)が必要です。

60分の普通歩行(約6000歩相当)は、約3メッツ相当です。60分の普通歩行と日常生活のなかでの身体活動を加算すれば約8,000歩相当となり、基準値を満たす身体活動量が達成できるでしょう。

厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」では、週あたり6.6メッツ以上の身体活動を行っていれば、身体活動が最も少ない人と比べ生活習慣病の予防効果が14%高まるとされています。

日常生活のなかにウォーキングを取り入れれば自然と身体活動量が上がり、生活習慣病を予防できます。

参考:厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」

 

うつ病の予防

米国のハーバード公衆衛生大学院の研究では、ウォーキングなどの運動を習慣として取り組むことで、うつ病の発症リスクが17%低下すると明らかになっています。

ウォーキングをすることで、うつ病発症の原因である脳内ホルモン1種であるセロトニンが増加し予防につながります。

そして研究結果のなかでは、週4時間(1日35分程度)の運動を習慣的に行うことが、うつ病への予防効果を高めるとされています。

また走るといった強めの運動と比べ、歩く程度の軽い運動がセロトニンを多く分泌させるという研究結果があります。

そのためうつ病予防対策としては、軽度な運動であるウォーキングが最適です。

参考:一般法人日本生活習慣病予防協会

 

がんによる死亡リスクの低下

国立研究開発法人では、調査開始時点でがんでなかった40〜79歳の男女1,709名を10年間追跡し、ウォーキングとがんとの死亡率の関係を調べました。

出典:国立長寿医療研究センター

調査結果では日々の歩く歩数が多い人ほど、がんによる死亡リスクが少なくなると明らかになりました。

とくに男性の場合、1日平均歩数8,500歩以上を歩く人は6,000歩歩く人に比べ、約3倍もがんの死亡リスクが軽減されています。

がんを予防するには、日々8,500歩以上のウォーキングが大切です。

 

体調管理・疲労回復効果

ウォーキングにはアクティブレストの効果があります。アクティブレストとは、息が上がらない程度の軽めの運動をすることで疲労回復を行うことです。

アクティブレスには、ウォーキング・ストレッチ・マッサージ・入浴などがあり、スポーツ選手も大会前や試合前の調整で積極的に採り入れています。

科研費では、アクティブブレストと生産性の関連について調査してきました。

研究の結果、労働者が昼休みに10分間の短時間運動をしたところ、睡眠の質・腰痛の改善につながり、生産性が向上すると明らかになりました。

ウォーキングを始めとする軽めの運動に取り組むことで、企業にも大きなメリットがあると言えます。

参考:科研費「労働者の労働生産性向上に対する職場単位で行うアクティブレストの効果検証」

 

脳の活性化

ウォーキングを通じて自然の空気に触れたり誰かと話したりすることで刺激を受けると、脳が活性化します。

参考:医療法人社団めぐみ会 ウォーキングによる 脳の活性化

また運動すると脳の血流がよくなり、思考力や集中力が高まります。

アメリカでは小中学生95万人に対し、心肺能力や筋力・持久力・体脂肪率など総合的な体力と学力テストの成績との関連性について、大規模な調査を実施しました。

出典:スポーツ庁『数字で見る! スポーツで身体に起こる気になる「6」つのデータ』

調査結果から、体力調査の成績が優秀な子どもは学力面においても優れていることがわかります。

大人になっても、運動により脳によい影響がもたらされます。職場でウォーキングなどの運動を取り入れれば、従業員の仕事パフォーマンスが向上すると期待できます。

 

ウォーキングを習慣化する20代は多い

ウォーキングは誰でも始められる運動ですが、自身の健康状態に影響が出やすい30代後半以上の方ばかりが取り組むものと考える方は少なくありません。

しかし現在では、ウォーキングに取り組む20代が増加しています。

ウォーキングシューズメーカーでもある株式会社ニューバランスジャパンは、全国の男女25歳〜49歳を対象にウォーキングと若者の意識に関する調査を実施しました。

出典:株式会社ニューバランスジャパン 20代の2人に1人は習慣的にウォーキングを実施 若い世代でのウォーキングの盛り上がりが明らかに

 

調査では20代の2人に1人が、月に1回以上のウォーキングを習慣にしているとわかります。

また「ウォーキングは年配の方がやるイメージか?」という問いに対し、63.3%の20代が「そう思わない」と回答し、4人に1人が「20代がやるもの」と答えました。

この調査ではアンケートに回答した方の数が多くはないため、あくまでも参考としてとらえるべきデータです。

しかし年齢に関わらずウォーキングに興味を抱いている人は多く、企業としてウォーキングに関する取り組みを実施する意義はあると考えられるでしょう。

 

ウォーキングが習慣化できているのは3割程度

ウォーキングの健康効果には大きな注目が集まっており、世代を問わずウォーキングに関心を持っている方は多いです。

しかし、ウォーキングを実際に習慣化するのは非常に難しいと言えます。

笹川スポーツ財団では、週1回以上の散歩またはウォーキングの実施率について調査しました。

出典:笹川スポーツ財団 散歩・ウォーキング人口

週1回以上のウォーキングを実施する人は年々上昇傾向にありますが、実施率は2020年度で35.7%にとどまります。

また以下の図は、年代別にウォーキング実施率を表したデータです。

出典:笹川スポーツ財団 散歩・ウォーキング人口

 データを見ると、年齢が低いほどウォーキングの習慣化ができていないと言えます。

病気予防の観点から見ると、若い世代からウォーキングに取り組むことは非常に重要です。

とくに若い世代が楽しんで取り組めるようなウォーキング施策を導入しましょう。

 

​​企業のウォーキング取り組み事例

健康効果に期待できるウォーキングですが、ウォーキングを習慣化するのは難しいです。従業員が楽しんでウォーキングを継続できるよう、企業として工夫をしてください。

ここからはウォーキングに関連して、企業が実際に行った取り組みを紹介します。

 

株式会社コア・エレクロトロニックシステム

出典:株式会社コア・エレクトロニックシステム

株式会社コア・エレクトロニックシステムではウォーキングに取り組んでもらうため、毎年1月から3月をウォーキング期間として設定し、個人・チームによる対抗戦を開催しています。

ウォーキング期間内では日々従業員の歩数を記録し、記録をグループウェアに掲示することで社内全体に共有できるよう仕組み化してきました。

記録を全従業員に共有することで他の参加者の歩数を確認しながら競い合えるため、ウォーキングのモチベーションがアップします。

またウォーキング月間終了後の毎年4月には、個人・チーム上位者に記念品を授与し表彰を行っています。

イベントに参加した従業員からは、「健康管理について以前より意識するようになった」「休日も歩く機会が増えた」といったポジティブな声が挙がっています。

参照:よこはまウォーキングポイント事業事務局

 

株式会社NTT東日本

出典:株式会社NTT東日本

株式会社NTT東日本ではNTT健保組合が展開するSLP(NTT Kenpo Smart Life Park)の歩数登録機能を活用し、ウォーキングを推進しています

SLPでは従業員一人ひとりが歩数登録機能に登録し、1日の平均歩数をデータにしています。そしてデータを使用し、平均歩数の多い上位グループや個人などを表彰してきました。

またNTT東日本では、毎年継続してウォーキング大会を開催しています。

イベントや歩数の記録を継続して行った結果、SLPの登録率は当初の82.4%から90.7%に増加し、大会での歩数平均は、6,858歩から7,445歩に向上しました。

参照:厚生労働省スマート・ライフ・プロジェクト 健康寿命をのばそう!アワード

 

第一生命保険株式会社

出典:第一生命保険株式会社

第一生命保険株式会社では、従業員とその家族が参加できるチャリティーウォーキングを実施しています。

チャリティーウォーキングは2006年から毎年実施されており現在まで参加者は増えているため、イベントにより健康への関心度は上がっていると言えるでしょう。

また第一生命保険株式会社では2015年以降、従業員とその家族の参加費を健康保険組合が全額補助する制度を導入しています。

2年間で合計2200名が制度を利用しており、チャリティーウォーキングイベントは幅広い従業員と家族に広がっていると言えます。

参照:東京都オリンピック・パラリンピック準備局 平成28年度東京都スポーツ推進企業取組事例集

 

まとめ:健康効果が期待できるウォーキングに今すぐ取り組もう

ウォーキングにはさまざまな健康効果がありますが、習慣化して取り組んでいる人の割合は約3割です。

ウォーキングを習慣にしてもらうため、イベントを開催する、景品や表彰で従業員のモチベーションを高めるなどの工夫をしてください。

従業員にウォーキングを習慣化させたい企業におすすめなのが、福利厚生アプリKIWI GOです

KIWI GOでは歩いた歩数に応じてごほうびがもらえるため、ごほうびを目標として楽しくウォーキングを継続できます。

またイベントの開催機能もあり、ランキング形式で競い合いながら従業員同士で一緒に歩数を伸ばせます。

実際にKIWI GOを利用し、1日の平均歩数が1,000〜2,000歩増えたケースもあります。ウォーキングに楽しく長く取り組んでもらうなら、ぜひKIWI GOを検討してください。