近年、働き方の変化に伴い社内で運動に取り組む企業が増えています。

しかし企業として、どのように従業員の健康管理をすればよいか分からず悩む企業は多いでしょう。

とくに社内となるとできることが限られるため、多くの従業員が参加できる取り組みを考えるのは難しいです。

そこでこの記事では、社内で運動に取り組む効果やメリットに加え、具体的な方法や事例も紹介します。企業主体の取り組みで従業員の健康を促進させましょう。

 

働き方の変化と健康課題

日本では少子高齢化による労働人口低下への対応策として、テレワークが推進されています。

国土交通省の調査では令和3年度、勤務先に「テレワーク制度が導入されている」と回答した人は40%でした。現在、企業と雇用契約を結んで働いている雇用型就労者のうち、テレワークを行っている人の割合は全国で27.0%と過去最高値です。特に首都圏では42.1%と高い割合となっています。

参考:国土交通省 令和3年度テレワーク人口実態調査

 

テレワーカーが増加するなか、株式会社アジャイルウェアが行った調査では75.5%の人が「1日の歩数が減った」「外へ出ない日がある」と運動不足を実感しています。

参考:株式会社アジャイルウェア リモートワークと運動習慣のアンケート

 

運動不足になると筋力が低下し姿勢が悪くなります。姿勢の悪さは頭痛や肩こりの原因になり、従業員のパフォーマンス低下につながる可能性も高いです。

テレワークでは運動不足以外に下記の課題が生じています。

  • 長時間労働が起こりやすい
  • コミュニケーションが取りづらい

テレワーク環境では、企業側が従業員の不調に気づきにくいです。従業員の健康のため、心身ともに企業として対策を行うことは重要です。

 

社内で運動に取り組むメリット

社内で運動に取り組むことで、企業が得られるメリットを3つ紹介します。

従業員の運動習慣を促せる

スポーツ庁の調査によると、運動不足を実感しているにも関わらず運動頻度が週に1日以下の人は約4割です。特に働き盛りである20代~50代では、運動頻度の少ない人の割合が上がります。運動ができない理由としては、「仕事や家事が忙しいから(42.6%)」「面倒くさいから(39.2%)」が多いです。

参考:スポーツ庁 令和3年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」

この調査から、個人で運動をする時間を見つけて実施することのハードルは高いと分かります。

個人で運動をするのが難しい状況では、1日の大半を過ごす会社で運動を取り入れることが重要です。

勤務時間内に運動を促し、運動の習慣化を目指しましょう。

 

従業員のパフォーマンスが上がる

筑波大学の研究では、ヨガや太極拳のような超低強度運動を10分間行うことで、直後に記憶力が向上することが明らかになりました。記憶力が上がることで、従業員の作業効率の向上が期待できます。

さらに週に数回ウォーキングを行うことは、脳機能に好影響を及ぼすと分かっています。

アンダース・ハンセン著の『一流の頭脳』によると、運動をすることで集中力や記憶力が高まり、情報を効率的に処理できるようになります。

従業員ひとりひとりのパフォーマンスが上がれば、企業価値のさらなる向上も見込めます。

参考:筑波大学 短時間の軽運動で記憶力が高まる!

参考:『一流の頭脳』(2018年)著者: アンダース・ハンセン/訳者: 御船由美子

 

社内のコミュニケーションを促進できる

運動に関連するイベントを開催することで、従業員同士のコミュニケーションの機会が増えます。

テレワーク環境でもコミュニケーションを取る機会が増えれば、孤独感を感じにくくなり従業員のストレス軽減にもつながります

 

社内で運動に取り組む具体的な方法

ここでは実際に社内で運動に取り組む際の具体的な方法を紹介します。

 

ウォーキング

ウォーキングは体力の有無や年齢問わず気軽に始められる運動のひとつです。

厚生労働省も日常の歩数の増加を目標にしています。20歳~64歳における1日当たりの歩数の現状値は、男女ともに目標値に1000歩以上足りていません。

 

現状値

目標値

男性

7864歩

9000歩

女性

6685歩

8500歩

 

参考:厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査結果の概要

 

日常生活でウォーキングを取り入れるには、階段を使う、通勤時にひと駅分歩くなどちょっとした習慣の切り替えが大切です。歩くことを普段から意識してもらうため、チャットツールや社内報などでウォーキングの重要性を伝えましょう。

また社内ウォーキングイベントを開催する、歩数に応じてインセンティブを与えるなど、従業員が楽しく取り組めるよう工夫することも大切です。

 

スタンディングミーティング

打合せ時にスタンディングテーブルの利用を推奨することも、運動習慣を促す方法のひとつです。

日本人は1日で座っている時間が世界で一番長いと言われており、死亡リスクの高い状態にあると言えます。

参考:東洋経済オンライン 死亡リスク4割増「座りすぎ日本人」の絶大リスク

長時間の座りっぱなしを防ぐことで筋力が強化され、血行促進効果も得られます。こまめに立ち上がるよう呼びかけましょう。仕事が忙しい従業員にも、スタンディングテーブルで運動習慣を促してください。

 

社内運動会

社内運動会を開催することは運動不足解消だけでなく、社内のコミュニケーション促進にも役立ちます。

従業員が協力してひとつのことに取り組むことで、コミュニケーションの機会が生まれます。従業員同士の団結力が高まれば、業務の円滑化につながります。

しかし社内運動会の開催には時間と手間がかかります。運動会の実施が難しい場合、設備がなくても開催できるウォーキングイベントがおすすめです。

 

ヨガ・ストレッチ

ヨガやストレッチは、体力に自信がない人や女性も参加しやすい運動のひとつです。

ストレッチは業務の隙間時間で気軽に取り入れることが可能です。部署内で一緒に取り組めば、コミュニケーションの活性化にも役立ちます。そして深い呼吸とともに体と心を整えるヨガは、定期的に行うことで心身ともにリフレッシュできます。メンタルケアの一環として、ヨガの実践もおすすめです。

ヨガやストレッチの講座を行う場合、場所の確保やインストラクターの派遣が必要です。事前にしっかりと準備を行いましょう。

 

運動は楽しく継続してもらうことが大切

運動でもっとも重要なのは、従業員が楽しく続けられるかどうかです。

どのような運動なら取り組めるかアンケートを取り、1人でも多くの従業員が運動できる環境を作りましょう。部署で協力する、チーム対抗のイベントを開催するなど、楽しみながら社内全体で気軽に運動する雰囲気を作ることも重要です。

また運動習慣のない従業員にも参加してもらえるよう、ゲーム感覚で運動できるアプリを活用しましょう。軽い運動であっても、楽しく継続できることがもっとも大切です。運動しない従業員を責めるのではなく、全員が楽しく取り組めるよう工夫しましょう。

 

社内で運動を取り入れた企業の事例

ここでは企業の事例をもとに、社内で運動を取り入れたことでどのような効果があったか紹介します。

 

ネッツトヨタ山陽株式会社

出典:ネッツトヨタ山陽株式会社

ネッツトヨタ山陽株式会社では、風通しのよい「働きやすい職場づくり」をテーマに、トップ主導で様々な健康経営の取り組みを行っています。

おもな取り組みは以下の通りです。

  • 電子万歩計を社員に支給
  • 歩数を集計して毎月発表
  • ウォーキングコンテストを実施
  • 全社員でのラジオ体操
  • 社員食堂でヘルシーメニューを提供
  • 外部講師によるセミナー

これらの取り組みが評価され、健康づくりに積極的な企業として県から表彰されました。

社内外に取り組みが発信されたことで、ネッツトヨタ山陽株式会社では健康作りをきっかけとしたコミュニケーションが増加しました。

また面接時に健康づくりについて興味を持つ応募者も増え、採用にも良い影響が出ています。

参考:健康経営優良法人取り組み事例集

参考:ネッツトヨタ山陽株式会社健康経営

 

SCSK株式会社

出典:SCSK株式会社

SCSK株式会社では、従業員の健康が経営上の最重要事項であるととらえ、健康づくりに積極的に取り組んでいます。

数ある取り組みのなかで特徴的なのは、健康に良い行動習慣をポイント化し一定基準を満たせばインセンティブを支給する「健康わくわくマイレージ」です。

インセンティブを目標にして健康わくわくマイレージに取り組む従業員は多く、導入後のウォーキング実施率は53%に増加しました。

またSCSK株式会社では従業員と家族を対象としたウォーキングイベントを実施するなど、健康に関するイベントも行っています。平日に歩行などの運動習慣がある人は、運動習慣のない人と比べ仕事の生産性が高いと回答している割合が高いです。

また「健康状態の良さが高いパフォーマンスにつながっている」と感じた従業員の割合も92%に増えたため、取り組みにより健康意識が高まったと言えます。

参考:SCSK株式会社健康経営これまでの成果

 

ウイングアーク1st株式会社

出典:ウイングアーク1st株式会社

ウイングアーク1st株式会社は原則在宅勤務であるため、運動不足やコミュニケーション不足を改善する様々な取り組みに力を入れています。アプリを活用した全社ウォーキング大会では、従業員の歩数を距離換算し地球1周を目指す取り組みが行われました。全社員で運動に取り組む意識付けを行うことで、参加率は80%を超えました。

またイベントの開催をきっかけに「これからもウォーキングを継続したい」という声も出ており、従業員の運動促進にも成功しています。

さらにお昼休みにはPCのカメラを使いラジオ体操やストレッチを行い、イベント以外でも体を動かすきっかけを提供しています。ラジオ体操やストレッチを通じて生まれる会話は、気分転換にもつながると従業員から好評です。

参考:スポーツ庁 「スポーツエールカンパニー2021」認定企業の取組事例

 

公益財団法人明治安田厚生事業団

出典:公益財団法人明治安田厚生事業団

公益財団法人明治安田厚生事業団では職場を活動的にするため様々な取り組みを行っています。おもな取り組みは以下の通りです。

  • スローエアロビクス
  • ランチタイムウォーク
  • ウォーキングアプリを使った歩数チェック
  • スタンディングミーティング
  • 座りっぱなしブレイク

座りっぱなしブレイクは、座る時間が長くなる会議中に声を掛け合い、エクササイズを行う取り組みです。サイコロを振ってエクササイズを決め、全員で取り組みます。部下も上司も一緒にリフレッシュできる取り組みであるため、コミュニケーションの増加につながっています。

スタンディングミーティングは、体の負担を軽減できるだけでなく意見の活発化にも役立っています。

業務中にできる取り組みを多数導入することで、公益財団法人明治安田厚生事業団はスポーツ庁からスポーツエールカンパニーとして認定されています。

参考:スポーツ庁 「スポーツエールカンパニー2021」認定企業の取組事例

 

まとめ:運動への取り組みは会社全体の向上につながる

社内で運動に取り組むことで従業員の健康が促進されるだけでなく、コミュニケーションの機会も増加します。

従業員が健康でいきいきと仕事に取り組むことができれば企業全体も活発化し、企業価値向上にも期待できます。

従業員の運動習慣を促すきっかけ作りとしておすすめなのが、企業向け福利厚生アプリ「KIWI GO」です。

「KIWI GO」ではスマホを持ち歩くだけで歩数に応じたポイントが貯まり、貯まったポイントを好きなごほうびと交換できます。ゲーム感覚で始めることができるので、普段運動習慣のない人でも歩くことを意識づける良いきっかけになります。チームを作ってイベントを開催することもできるので、従業員同士のコミュニケーションを促すのにもおすすめです。

従業員の運動習慣やコミュニケーションに課題を感じている企業様は、ぜひ導入を検討してみてください。