メタボリックシンドロームという言葉は幅広い世代で知られており、メタボ対策に注目が集まっています。生活習慣病発症による医療費の増加は国も注力する大きな問題であり、現在40歳以上ではメタボ健診が義務化されています。

生活を改善することで生活習慣病の80%は予防できるため、メタボ予防のため個人が生活を見直すことは非常に重要です。

しかし国が行う取り組みだけで個人が生活を変えるのは難しいと言えます。企業としても、メタボ予防のため積極的な行動を起こしましょう。

この記事では、メタボリックシンドロームの現状に加え企業がメタボ比率改善のためにできる対策の例を紹介します。

取り組む手順やポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

 

メタボリックシンドロームの基礎知識

メタボリックシンドロームとは、生活習慣病になる前の段階です。

一定以上の腹囲があることに加え、血圧・血糖・脂質のうちいずれか2つが診断基準に当てはまると、メタボリックシンドロームとされます。

腹囲(必須項目)

男性85センチ以上、女性90センチ以上

血圧

130/85mmHg以上

血糖

空腹時血糖110mg/dl以上

脂質

中性脂肪150mg/dl以上 

かつ/または 

HDLコレステロール40mg/gl未満

参考:国立国際医療研究センター 糖尿病情報センターメタボって何?

ここではメタボリックシンドロームに関連する日本の現状や、国の取り組みを紹介します。

 

メタボリックシンドロームの現状

平成30年の調査によると、日本におけるメタボリックシンドロームの割合は40~74歳で35.9%です。とくに男性は57.2%と高い割合になっています。

参考:厚生労働省 平成30年国民健康・栄養調査報告

日本人の死因の約半数は「悪性新生物」「心疾患」「脳血管疾患」であり、メタボリックシンドロームはこれらの病気に関わる大きな問題です。

血圧や血糖、脂質の状態は健診をしなければわからないため、自覚症状なしに進行する危険は高いと言えます。

参考:政府広報オンライン 生活習慣病の予防と早期発見のために

 

国が行っている取り組み

メタボリックシンドロームが大きな問題となる現在、厚生労働省は生活習慣病の予防や早期発見のため「特定健診」「特定保健指導」の実施を義務付けています。

特定健診とは40~74歳を対象とし1年に1度実施される、メタボリックシンドロームに着目した健診です。

通常の健康診断に加え、腹囲の計測などメタボリックシンドロームの予防や早期発見に着目した項目でチェックを行っています。

また特定保健指導とは生活習慣病の発症リスクが高い人に対し、保健師や管理栄養士などの専門スタッフが生活習慣の見直しを促すことです。

国としては現在、特定健診の実施率70%、特定保健指導実施率45%を目指しています。

参考:厚生労働省 第4期特定健康診査等実施計画期間における保険者種別の目標値について

 

メタボリックシンドロームが企業にもたらす影響

従業員の健康問題に関わる指標として、「プレゼンティーイズム」と「アブセンティーイズム」があります。

プレゼンティーイズム

なんらかの疾患や症状を抱えながら出勤することで業務の生産性が下がっている状態のこと

アブセンティーイズム

病気により出勤できない状態のこと

メタボリックシンドロームに該当する方は、リスクなしの人と比較してプレゼンティーイズム、アブセンティーイズムの状態になりやすいです。

経済産業省によるとプレゼンティーイズムによる損失のコストは、企業における健康関連コストのうち約78%であり、企業への影響は大きいです。

参考:経済産業省 企業の「健康経営」ガイドブック

健康面で不安な従業員が増えれば、企業負担が増加します。企業が積極的に従業員の健康管理を行うことは、従業員に長く働いてもらうため非常に重要です。

 

メタボ対策の第一歩は特定健診受診率の向上

メタボリックシンドロームを予防する第一歩として、特定健診の受診率を高めましょう。健診を受ければいまの健康問題を従業員自身が正しく把握できるため、生活習慣改善のきっかけになります。しかし現状の特定健診実施率は53.4%であり、国が目標とする70%に届いていません。

特定健診を受診しない理由は、次のとおりです。

  • 時間が取れないから
  • 心配な時はいつでもいけるから
  • 面倒だから

受信率を高めるには特定健診のハードルを下げ、従業員の健康意識を向上させる必要があります。企業でできる取り組みの例としては、以下のものがあります。

  • 受診にかかる時間を勤務時間とみなす
  • 社内広報で繰り返し特定健診の受診を呼びかける
  • 上司が率先して特定健診の大切さを伝える

企業が積極的に介入することで、従業員の意識を高めましょう。

参考:厚生労働省 特定健診・保健指導の実施率向上について

参考:厚生労働省 第4期特定健康診査等実施計画期間における保険者種別の目標値について

 

企業でメタボ対策に取り組む際の手順

実際に企業でメタボ対策を行うためどのような手順を踏めばよいのか、5ステップで解説します。

1.現状を把握する

まずはデータを集め、現状を把握することから始めましょう。

  • 特定健診受診率
  • 特定保健指導実施率
  • 健診の数値結果
  • メタボの疑いや予備軍の割合
  • ストレスチェックの結果

上記のようなデータをもとに、企業が抱える健康課題の現状を把握します。

職場における心理的ストレスは、メタボリックシンドロームの発症率を1.4倍に高めるといわれています。従業員のストレスチェックの結果も把握しましょう。

また従業員が抱えている健康問題や現在の生活習慣について、アンケートをとるのも良いでしょう。

参考:北里大学 職場のストレスによって労働者のメタボリックシンドロームの発症リスクが高まる

 

2.健康問題のうち取り組む課題を決める

データ収集を行い現状把握ができたら、現状の問題点を明らかにして取り組むべき課題を決めます。

  • 特定健診の受診率を上げる
  • 健診の血圧の数値が高いため改善する
  • メタボ予備軍の減少に取り組む
  • ストレスチェックの数値を改善する

現状に適した課題を設定することが、メタボ対策を成功させるポイントです。

 

3.課題に応じて目標を決める

課題が明確になったら具体的な数値で目標を立てます。すぐに結果が出るものではないため、中期・長期的な目線で目標を立てましょう。

目標の例は、次のとおりです。

  • 40代社員のメタボ比率を3年間で10%改善
  • 1日の歩数平均が5000歩を超えるようにする

負担を軽くするため、計測・集計・評価にあまり手間がかからない指標を活用しましょう。

 

4.健康課題に合わせた施策を作る

次に課題解決に向けた施策を考えます。いつ何をやるのか、具体的にスケジュールに組み込むことを意識しましょう。

大企業の場合、必要に応じて担当者や担当グループを決めるとスムーズに計画が進みます。

施策の例は、次のとおりです。

  • 産業医や産業保健師と連携し相談窓口を用意する
  • 健康教育や研修でヘルスリテラシーを高める
  • 長時間労働を是正する
  • 運動機会を増やす
  • 食生活を改善する
  • 禁煙を推進する

ストレス軽減のため、働き方の改善にも積極的に取り組みましょう。

 

5.施策を実行し検証する

現状に合わせた目標と施策を立てたら実行へ移します。

どれくらい目標値に近づいたか、データを分析しながら改善を続けましょう。

データ分析に加えて従業員にアンケートを実施し、良かった点や悪かった点を探ることも大切です。

データを集めて分析するには長い期間が必要です。なかなか結果が出ないからとあきらめずに、長期的な視点で前向きに取り組みましょう。

 

企業におけるメタボ対策の具体例

ここでは参考として、実際に企業が行っているメタボ対策事例を紹介します。

 

社会福祉法人大洲育成園

出典:社会福祉法人大洲育成園

社会福祉法人大洲育成園では健康課題の把握と受診勧奨に取り組んでいます。主な取り組みは以下のとおりです。

  • 一般健診に追加する付加健診の費用全額負担
  • 利用者と一緒に20分間の歩行運動
  • 敷地内全面禁煙
  • 自動販売機で特定保健用食品や乳酸菌飲料の販売

社会福祉法人大洲育成園は福祉施設を運営しており、食後に利用者と一緒に屋外や施設内を20分間歩くという取り組みを行っています。

交流の機会にもなるこの取り組みは、他企業からも大きな反響がありました。

また地区のイベントにも積極的に参加することで、住民とのコミュニケーションが増えたという声もあります。

参考:健康経営DSマガジン 健康経営事例

 

宇野重工株式会社

出典:宇野重工株式会社

宇野重工株式会社は「社員の健康は企業の活動の源である」という考えのもと、社員の健康づくりに取り組んでいます。おもな取り組みは以下の通りです。

  • 健康診断の受診率100%を記録
  • 血圧計の設置
  • 毎朝のラジオ体操
  • 隔週で談話室を開催

健康診断では受診を促すだけではなく、産業医と連携して対象者に二次健診の受診を勧める取り組みも行っています。

また新たに70歳まで働ける特別再雇用の制度を創設し、長く健康で働ける事業所を目指しています。

参考:全国健康保険協会 三重支部 中小企業の健康経営事例集

 

株式会社佐野テック

出典:株式会社佐野テック

株式会社佐野テックはこれからの会社を創造していく上で従業員の健康の大切さを認識し、健康づくりに取り組んでいます。

おもな取り組みは以下の通りです。

  • 有給休暇の取得率向上の取り組み
  • 個人の名札に健康目標を記入
  • 週に一度インストラクターを呼び運動を実施

健康づくりには「休養」も大切な要素です。株式会社佐野テックでは管理職が率先して有給休暇を取り、従業員全員が休暇を取れる環境を目指しています。

また健康診断の数値などわかりやすい目標を決め、健康目標を個人の名札に記載しています。

目標を明確にすることで、健康に関して従業員同士が声をかけあえる環境が生まれました。

参考:全国健康保険協会 三重支部 中小企業の健康経営事例集

 

フジ住宅株式会社

出典:フジ住宅株式会社

フジ住宅株式会社では、法定内検査項目に大腸がん検査やピロリ菌検査などの項目を追加しています。

再検査の費用を全額負担するなどの施策により、受診率100%を維持しています。

さらにフジ住宅株式会社では、従業員の家族も同じメニューの健康診断を受診することが可能です。

家族が健康であれば、従業員も安心していきいきと働けるようになるでしょう。

また健康診断の結果、血圧と脂質の有所見者が多かったことから、次の取り組みも実施しています。

  • ウォーキングの推奨
  • スニーカー通勤の推奨
  • 昇降式デスクの導入

上記の取り組みについては「運動の習慣が身についた」など評価する声が挙がっています。

参考:フジ住宅株式会社 健康の保持・推進

 

メタボ対策には健康習慣の継続が大切

メタボ対策では「食事」「休養」「運動」の3大要素をバランスよく取り入れることがポイントです。ストレスを抑えて長期的な目線で生活改善をしてもらうため、簡単かつ従業員が楽しんで継続できる施策を考えましょう。

メタボ対策ではまず肥満対策が重要となるため、運動習慣を取り入れエネルギー消費量増加や脂肪燃焼を促すことが大切です。

楽しく簡単に運動習慣を促すなら、企業向けウォーキングアプリ「KIWI GO」がピッタリです。

KIWI GOでは歩数に応じて貯まるコインを好きなごほうびに交換できます。またポイントで回せるガチャもあり、運動が苦手な従業員もゲーム感覚で楽しくウォーキングに挑戦できます。

KIWI GOでは、チームを組んでウォーキングイベントを開催することも可能です。イベントを通して社内のコミュニケーションも促進されます。

企業全体で運動に取り組む機会を作り、1人では運動を継続できなかった従業員のサポートを行いましょう。

 

まとめ:メタボ対策の継続は従業員と企業の幸せにつながる

企業がメタボ対策を行うことは、従業員が健康でいきいきと働き、企業を発展させるために必須です。

まずは現状の問題点を把握し、課題と目標を設定したうえでメタボ対策を行いましょう。

メタボ対策はすぐに効果が出るものではないため、いかに従業員に楽しく継続して取り組んでもらえるかが重要です。

従業員に運動を楽しく習慣化してほしいなら、ウォーキングの歩数に応じてごほうびがもらえるKIWI GOがおすすめです。

共通の趣味を持つ従業員同士がつながり、一緒にイベントを開催できる機能もあるためコミュニケーションのきっかけにもなります。

従業員に運動を継続してもらうため、ぜひ導入を検討してください。