働き方改革の推進はどの企業でも活発な取り組みがされています。しかし、推奨されている取り組みを実施してもなかなか成果が上がらない企業があるのが実態です。

中には働き改革を導入した結果、逆に従業員の負担が増えて生産性も落ちてしまったという企業もあります。

取り組み自体は有効であるはずの働き方改革がなぜ効果を発揮しないのでしょうか。企業が実践する働き方改革の問題点と解決方法について解説します。

 

働き方改革とは

厚生労働省「働き方改革~一億総活躍社会の実現に向けて~」によると、働き方改革は個人の事情に応じた働き方を選択できる社会を実現するための様々な措置のことを指します。

日本は 「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「働く方々のニーズの多様化」などの課題への対応が必要です。

そのために、投資やイノベーションによる生産性向上と就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境作りが必要となります。 

そして、個々の事情に応じた多様な働き方ができる社会を実現することで、成長と分配の好循環を構築し、働く人たちが明るい未来をイメージできることを目指しています。 

 

働き方改革のポイントは2つあります。

①労働時間法制の見直し

②雇用形態に関わらない公正な待遇の確保

労働時間法制の見直しで「働きすぎの防止」「ワーク・ライフ・バランスの実現」「多様で柔軟な働きかたの実現」を目指します。

公正な待遇を確保することで、正規雇用と非正規雇用との不遇な格差をなくします。これによりどのような雇用形態でも納得して働ける環境作りを目指しています。

こうした取り組みで企業は魅力的な職場環境を整えて人材を集め、労働力を確保することで生産性向上、企業の成長を促せるのです。

参考:厚生労働省「働き方改革~ 一億総活躍社会の実現に向けて ~」

 

働き方改革が必要とされている理由

働き方改革が必要とされている理由は、人手不足による生産性の低下と多様な働き方をする労働者が増えたことによりワーク・ライフ・バランスの必要性が生じたことです。

企業は働き手が減少したことにより、生産性を向上させることが難しくなりました。

打開策として、減少し続けている働き手を確保する施策をしなければ状況は変わりません。

そして、人材を確保・定着させるために様々な働きかたを受け入れるワーク・ライフ・バランスの重要性が高まりました。

 

人手不足による生産性の低下を防ぐため

厚生労働省「令和2年版厚生労働白書」のグラフから15歳から64歳の生産年齢人口は減少傾向にあります。

出典:厚生労働省「令和2年版厚生労働白書―令和時代の社会保障と働き方を考える― 図表1-3-3 労働力人口・就業者数の推移

1989年から2019年までの間に1,000万人近くの生産年齢人口が減少しており、年々貴重な働き手の確保が難しくなっていることが予想できるのです。

さらに厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析」から、企業から見た人手不足感が中小企業、大企業ともに増加傾向となっています。

出典:厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について- 図 企業規模別等でみた雇用人員判断D.I.の推移」

2013年以降から中小企業、大企業ともに下降しており慢性的な人手不足に陥っていると読み取れます。このような状況のため、生産性を上げなければ企業の存続が難しい状態なのです。

 

健康障害のリスクを減らすため

長時間労働による従業員の健康障害が問題視されています。

長時間労働が月45時間を超えてから健康障害のリスクが上昇を始め、月100時間または2~6ヶ月の平均が月80時間を超えると健康障害のリスクは高まるとされています。

出典:厚生労働省「過重労働による健康障害を防ぐために」

 

公立学校共済組合岡山支部の資料によると、長時間労働をすることで様々な疲労が蓄積され事故やケガだけでなく心臓疾患や精神障害などの健康問題が発生するのです。

出典:公立学校共済組合岡山支部

したがって生産性の向上を目指し人手不足を解消するためには、このような労働者に降りかかるリスクにも配慮することが求められます。

 

ワーク・ライフ・バランスを実現するため

ワーク・ライフ・バランスという考え方があります。

内閣府の資料に「仕事と生活の調和と経済成長は車の両輪であり、若者が経済的に自立し、性や年齢などに関わらず誰もが意欲と能力を発揮して労働市場に参加すること」とあります。

出典:内閣府「仕事と生活の調和」推進サイト 

こうした働き方が国の成長力を高め、少子化対策や持続可能な社会の実現にもつながると考えています。つまりワーク・ライフ・バランスとは仕事と生活が上手く調和して両方を充実させることです。

ワーク・ライフ・バランスのメリットは従業員がいきいきと働くことでモチベーションが上がり、結果生産性の向上が期待できます。

さらに、楽しく働ける職場には長く働こうとするので人材の定着につながり、こうした企業の在り方を発信すればイメージアップにも貢献します。

現在、労働者の就労に対する価値観は多様化し、様々な事情や目的で働く人が増えました。

出典:内閣府「就労に対する価値観の多様化」

たとえば、昨今は共働き世代が増えており、仕事一筋で働く人は少なくなってきています。

出典: 厚生労働省「令和3年版厚生労働白書-新型コロナウイルス感染症と社会保障- 図表1-1-3 共働き等世帯数の年次推移」

 

「令和3年版厚生労働白書図表1-1-3共働き等世帯数の年次推移」のグラフから、共働き世代は2020年で1240万世帯まで増加しており、彼らへのサポートは人材確保点でも重要といえます。

厚生労働省「令和2年度 仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業仕事と育児等の両立支援に関するアンケート調査報告書」に休業・休暇取得状況の内訳が記載されています。

出典:厚生労働省「令和2年度 仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業仕事と育児等の両立支援に関するアンケート調査報告書 男性労働者の育児休業取得や育児参画等について」

男性に注目した資料ですが、このグラフから共働き世帯が休暇を取る理由は出産・育児のサポート・学校行事といった家庭の事情が大半です。

このため従業員は仕事のみでなく子育てなど生活面を充実させるために休暇制度を利用し、仕事と生活のバランスをとろうとしているのです。

こうした労働者の多様性への対策としてワーク・ライフ・バランスの実現が重要となっています。

 

働き方改革の取り組みで起こりうる問題点

現状の企業の体制で働き方改革を実施しても生産性を維持できないという不安があります。

働き方改革自体は企業の生産性の向上や従業員の定着という点で有効ですが、現実と上手く噛み合わないという問題があります。考えられる問題点を把握し、どのような点に配慮すべきかを知ることでリスク回避につながります。

管理職の負担が増加する

働き方改革により、以前より負担が増える場合があります。

首相官邸の「罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正」により「週40時間を超えて労働可能となる時間外労働の限度を、原則として、月45時間、かつ、年360時間とする」と労働時間に規制がかかりました。

出典:首相官邸「働き方改革実行計画(概要)4.罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正」

その結果企業が残業時間を規制したことで、時間内に業務が終わらず逆に家への持ち帰り仕事が増えてサービス残業につながるという事態が起きています。

もう1点高度プロフェッショナル制度による専門職への過重労働問題があります。

この制度は高度の専門的知識があり、職務の範囲が明確で一定の年収要件を満たす労働者を対象として労使委員会の決議及び労働者本人が同意すれば労働基準法が適用されない制度です。

出典:厚生労働省「高度プロフェッショナル制度わかりやすい解説」

 

年間104日以上の休日確保措置や健康管理時間の状況に応じた健康・福祉確保措置等が条件となっていても、まだまだ一部では過重労働になりやすい環境といえます。

そもそも実質的な業務量が改善されていない状況で、労働時間が短くなれば時間内に仕事をする時間がなくなるのは当然です。

働き改革を受け入れるための労働環境の見直しや一部の従業員にかかっている負担を分担するなどの準備をしないと実用的な導入は難しいといえます。

 

導入コストが膨大である

働き方改革に取り組み、福利厚生や待遇改善、業務時間の見直しなどに取り組んだ結果、業務効率化のためのツール導入などでコストがかかることが考えられます。

具体的なコストは以下のような内容となります。

  • 働き方改革により有給をとらせたことで他者に業務が回り残業手当が増加する
  • 同一労働同一賃金の実施により人的コストが企業にのしかかる
  • 業務効率化の取り組みでシステム化を図るためにツールを導入することで追加コストが発生する。

企業が運営するために必要となる人・物の流れを把握し、まずは一部だけ改善するなど現実的な計画を立てることでリスク回避をする必要があります。

 

働くモチベーションが低下する

働き方改革により残業時間を減らす、定時に仕事を終えるようにするなどの取り組みをした結果、以下のようなリスクが考えられます。

  • 残業代が入らないことで収入が減る
  • 持ち帰りの仕事が増えてしまい、時間外の労働が増加し、従業員のモチベーション低下につながる。その結果、業務効率の低下や退職につながる危険性もある。
  • 企業が制度を整えても実施されず、形だけになることで信用をなくす

こうした理由から従業員に対して却って不利益が生じることで、一見対応が正しい施策に見えても上手くいかないことがあります。

この場合、取り組みに対してどのような課題があり、改善する必要があるか分析が必要です。

さらに、従業員のモチベーションが低下する要因に「やりがいの低下」があります。

アメリカの心理学者フレデリック・ハーズバーグの「二要因理論」によると、職場には従業員の満足度を上げる動機付け要因と不満足につながる衛生要因があると考えられています。

衛生要因は具体的に企業の方針や職場環境、給与といった従業員の働きやすさに関係します。

動機付け要因とは、従業員の仕事に対する達成感や責任感、成長の可能性などやりがいに関係する内容です。

日経ビジネスではこの二要因理論で4つの職場タイプが発生するといわれています。

参考:日経ビジネス 働き方改革で「やりがい」が下がる職場とは

この中で「ぬるま湯職場」と呼ばれる環境になってしまうと、働き方改革に取り組んだ結果、従業員のモチベーションが低下するといった事態が生まれます。

働き方改革を機能させるには、企業が従業員に負担をかけないための事前準備とやりがいを高める施策の立案が重要です。

 

生産性・業績が一時的に低下する

働き方改革により労働時間が見直されることは、以下の理由により現状よりも作業時間が短縮され労働生産性の一時的な低下を招きます。

  • 労働時間不足による業績の低下
  • 多様な人材を受け入れたことによる教育機関の設置による生産性の低下

働き方改革の取り組みによって本来の業務に割く時間が減り、今までのやり方のままでは業績が低下します。

この点を踏まえて企業ごとに業務内容の見直しや仕組み化による効率化も働き方改革と並行して考えることが重要です。

参考:営業ラボ「【徹底解説】働き方改革の問題点とは?課題の可視化と解決のポイント」

 

就業規則を見直す必要がある

働き方改革により、今まで制限が低かった残業時間が見直され、原則月45時間、年360時間までという上限規制が導入されました。

しかし、残業する時間が減ったからといって従業員の負担もなくなるわけではありません。

実際の作業量が何も変わらない場合、1日で仕事を消化しきれない可能性が生じます。

この場合、いずれどこかでしわ寄せが来るか一部の部署のみ負担が増えるなど歪な職場環境を作ってしまうため、就業規則などを大幅に見直す必要があります。

このような企業の対応が追いついていないまま働き改革をはじめてしまうと、従業員の反発を生む要因になり注意が必要です。

参考:営業ラボ「【徹底解説】働き方改革の問題点とは?課題の可視化と解決のポイント」

 

実用性に欠けて施策が浸透しない

取り組んでも社内に浸透しない、制度を利用しない等の理由で行動を起こせず施策が進まないことが考えられます。

  • ノー残業Dayを設けても実際は上司の顔色を窺って帰りづらい
  • 有休取得を推奨しても実際あまり使われない

上司が部下に指示しただけで、行動を促すような施策もなしに推し進めると長く根付いた慣習もあり、従業員はなかなか行動に移せません。

上司や従業員が自分事として認識して、協力し合って取り組まないと職場環境を変えることは難しいでしょう。

従業員が利用しやすい・行動しやすいと感じる実用性のある取り組みをすれば徐々に浸透していきます。

このような状況を踏まえて、実用性のある従業員目線の施策を考えると有効な施策になり得ます。

参考:ワークマネジメントオンライン「企業が働き方改革を進める上で想定される課題とは?克服のポイントも解説」

 

働き方改革の問題点を改善する手順

働き方改革の問題点について、適切な分析と改善が重要になります。

この際、正しい改善手順を踏まないと気付かぬうちに目標からそれて迷走します。

適切な問題点の抽出と改善をするには客観的な現状把握と目標からそれない改善施策をとり続けることが重要です。

軸からブレない改善手順について解説します。

 

1.企業の現状把握と分析を行う

まずやるべきこととして、自社の現状を把握します。

たとえば業務の洗い出しや業務をフロー図にまとめてみることで可視化するといった作業が有効です。

そうして直面している課題点を把握し、省略できる作業は簡略化し自動化できるものは仕組み化するなど取り組む施策に優先順位を設定することで効率よく改善施策が立てられます。

 

働き方改革は企業ごとに取り組むべき課題が異なります。

自社の課題や職場環境の情報を透明化して取り組めば、目標からブレることなく余分なコストをかけずに施策を立案できるのです。

参考:営業ラボ「徹底解説 働き方改革の問題点とは?課題の可視化と解決のポイント1:課題整理と現状分析」

   人事ZINE「働き方改革の問題点は?企業が直面する課題と解決のポイント 現状把握と問題点の洗い出し」

 

2.目標・ゴールを共有する

最後まで施策をやりきるためには、行動に対して目標・ゴールに向けて取り組んでいると共有しながら実施し、目的から沿っているか定期的に振り返りをすることが重要です。

ポイントとして、従業員が納得感を持てる適切なゴールを設定することが大切となります。

ゴール設定を間違えると従業員に負担を強いることでやらされ感が出るので注意が必要です。

適切な目標設定には3つのポイントがあります。

  • 何を目標にすべきか
  • なぜその目標にするのか
  • いつまでに達成するのか

特に「なぜ」と「何を」が一致していないと実行に移す従業員たちが目的を見失いモチベーションが低下する恐れがあり注意しなければいけません。

参考:GLOBIS CAREER NOTE 目標設定の3つのポイント。成果を出すリーダーが実践する目標の立て方とは

 

3.現状の業務内容を見直す

改善のために企業が今行っている業務内容を見直す必要があります。

  • 一部の業務に偏りがないか
  • 無駄な業務がないか
  • 効率化できないか

3つの観点から「現状のシステムは本当に必要なのか」「掲げた目標・ゴールに沿ったものか」を検討し適切な施策ができているか振り返ります。

加えて現場の視点で現状を把握できると従業員に寄り添った取り組みが可能です。

このような視点で改善施策を検討し、企業と従業員双方にとって有意義で納得できる取り組みを考え続けることで企業独自の働き方改革が実現されます。

参考:営業ラボ「徹底解説 働き方改革の問題点とは?課題の可視化と解決のポイント2:時間対生産性の向上

   Vejiness Worker 働き方改革で必要なのは「改革」よりも現状の「見直し」

 

4.改善施策のプランニングを行う

業務内容の見直しをしたら、改善のために何が必要か計画を立てることが重要です。

この際「上手くいった理由」と「上手くいかなかった理由」を具体的にすると改善へのヒントになります。

感情的な理由ではなく客観的にゴールに近づける施策であるかを判断することがポイントです。

冷静に取り組んだ結果から得た経験を分析し、積み重ねましょう。

また、作った制度が利用されるための周知も大事な取り組みです。

周知され従業員から利用されることで試行錯誤のためのデータが蓄積され、より良い改善案の作成と取り組みに対する認知度も上がります。

参考:営業ラボ「徹底解説 働き方改革の問題点とは?課題の可視化と解決のポイント3:既存の企業のワークフローの撤廃と構築

   アセスメントラボbyミイダス PDCAサイクルとは?業務改善を成功させる運用方法や活用シーンを紹介

  

働き方改革の問題点改善で重要なポイント

働き方改革は取り組んでから新たに問題が発生してからが重要です。

自社で生じた問題に対して適切な取り組みをしなければ、浸透せずに形骸化する恐れがあります。

取り組みに対して正しく現状を把握して改善施策を検討することで、徐々に浸透し体制が整っていきます。

懸念される問題点を改善するために重要なのは、従業員と共に協力しながら修正と改善を繰り返すことです。

経営陣と従業員の協力体制を作る

働き方改革は経営陣が積極的に改革に取り組むことが重要です。

しかし、完全にトップダウンになってしまうと現場はやらされ感しか感じられずモチベーションが低下してしまいます。

経営陣が現場で働いている従業員たちへ意義を説明し理解・納得を得てから実施しないと機能しない可能性があります。

トップが主導して取り組み、かつ従業員と共に課題を見つけて改善していく姿勢が大切です。

参考:DIGITALIST「働き方改革の問題点は? 企業の解決策を徹底解説 働き方改革で経営層が留意すべき二つの注意点」

 

従業員が新しい環境に適応できるか考える

短期間で変わると思わずに経営陣が従業員たちを統率しながら粘り強く実施する必要があります。

新しい制度は浸透するまでに時間がかかり、現場目線で有効なものにするために試行錯誤の期間も必要です。

新しい制度が従業員にとって意義のあるもので、かつ浸透するものであるか定期的に振り返り検討しながら、受け入れられやすい体制作りに励みましょう。

参考:KDDIまとめてオフィス「働き方改革の問題点を解説 解決方法や企業側・従業員側のメリットも紹介 社員・従業員がすぐに適応できるとは限らない」

 

長い目で修正と改善をはかる

従業員への理解や導入した施策・ツールは浸透させるために長い期間と試行錯誤が必要です。

特に導入初期では従業員たちの教育期間や仕組み化までに時間がかかり、一時的に負担が増えて生産性が低下することが予想されます。

短期的な成果に気を取られずに、浸透させるまでに一定の時間が必要と考えて改善と修正を繰り返すことが重要です。

参考:DIGITALIST「働き方改革の問題点は? 企業の解決策を徹底解説 働き方改革で経営層が留意すべき二つの注意点」

 

働き方改革に関する企業の具体的な施策

働き方改革にある生産性向上、環境・制度の整備に取り組んだ企業を紹介します。

企業が取り組むべき課題に明確な答えはありませんが、自社の課題と類似した事例からヒントを得ることは可能です。参考としてそのまま真似するのではなく、自社ではどう対処するか落とし込むことでより現実的な取り組みができます。

 

株式会社サカタ製作所の残業ゼロ時間宣言

出典:株式会社サカタ製作所ホームページ

株式会社サカタ製作所は、社長が率先して取り組みを宣言し「残業時間削減」「年次有給休暇・男性の育休取得推進」といった様々な取り組みをしました。

最初は従業員に反対されながらも社長がブレずに目標を掲げた結果、従業員が部署ごとに情報の共有やITによる業務効率化などの創意工夫をはじめました。

管理職も残業データから残業が減らない理由を分析し、従業員と一体となって改善施策を続けた結果、残業時間が月平均17.6時間から翌年で5.9時間短縮し、その後も短縮し続けています。

また「育休を取りたいと現場では言いづらい」という男性社員の訴えを聞き、社長が「育休は対象者全員取得しなければならない」と宣言しました。

同時に総務部が従業員の不安を解消するため、育児休業給付金などの国の制度を知らせるなどの取り組みをし「イクメン表彰」など従業員に育休が浸透するようにしました。

結果として、2016年で取得ゼロだった育休が2019年では100%になり「イクメン表彰」を廃止するほど従業員たちに浸透しています。

参考:厚生労働省「CASE STUDY 株式会社サカタ製作所

 

株式会社マエダハウジングのリフォームプランパッケージ化

出典:株式会社マエダハウジングホームページ

社長から率先して取り組み、従業員たちの意見を聞きながら課題点を抽出していき、一体となる取り組みをしました。

最初は従業員から否定的な意見もある中、社長がゴールを明確に提示して辛抱強く彼らの声を聞き問題点を抽出しました。

浮上した問題点は「同じ仕事を繰り返している」「残業が多い」「業務に偏りがある」の3つが多く、この3つを軸に改善施策を立案。

施策として「リフォームプランパッケージ化」という5つのパッケージされたプランを顧客に提示することで打ち合わせにかかる時間を削減しました。

この施策により「同じ仕事を繰り返している」「業務に偏りがある」という訴えへの改善をはかり、社長は顧客と従業員両方にとってわかりやすいプランになったと感じています。

次に「残業が多い」という訴えに対して「制度の見える化による残業時間削減」を目指しました。

主な取り組みは「時間外削減チェックシート」や「有給休暇申請チケット」などの目に見える形で制度を作り従業員への周知を促しました。

結果として、1日の平均残業時間は1人1.7時間から0.68時間まで減少し有給休暇取得率は17.4%から69.35%まで改善しています。

参考:厚生労働省「CASE STUDY 株式会社マエダハウジング」

 

タルボットジャパン株式会社のダイバーシティの推進

出典:イオン株式会社(タルボットジャパン)ホームページ

イオン株式会社の子会社タルボットジャパンはダイバーシティの推進に積極的に取り組んでいました。

「女性従業員がその意欲や能力を十分に生かして活躍できるように、多様で優秀な人材の確保・活用を目指すダイバーシティの一環」として女性が働きやすい環境作りに取り組みました。

「所定外労働時間の削減」「年次有給休暇の取得促進」「女性が活躍できる企業の証えるぼしの取得」「女性管理職登用」など様々な施策を実施。

結果として2017年度で月35時間を越える従業員はゼロ、2016年度で有給取得率69.7%、2017年で女性の管理職割合は31.3%から42.9%になりました。

イオングループは年に数回ダイバーシティの推進に関するセミナーを開催し、ダイバーシティや働きかた・休みかたの見直しなどについての啓蒙活動を続けています。

参考:厚生労働省 東京労働局「東京労働局の企業訪問タルボットジャパン株式会社」

 

株式会社山下の職場環境の整備

出典:株式会社山下ホームページ

「働きやすい職場環境の整備に取組むことで、ワーク・ライフ・バランスの推進を図る」ことを目的に様々な取り組みをしました。

経営トップによる社内外への発信として定期的なミーティングや機関誌を発行し従業員へ納得感を高めることで、社内全体で取り組める準備をしました。

時間外労働の削減のための取り組みでは、従業員が提案書を作成して可決されれば導入できる制度を作り、従業員の意識変化と社内活性化を促しています。

ノー残業デーの日は終業時刻を過ぎると社内のパソコンが強制的に切断される環境を作ることで従業員が時間内に業務を終了させるため工夫させ生産性を維持してました。

さらに年次有給休暇の取得促進や子育推進休暇の設置をし、社内ポータルサイトに全社員の年次有給休暇取得日を掲載することで、従業員へ周知しやすい体制と意識作りに取り組みました。

他にもテレワークへの普及のため会議のオンライン化や効率化のための機器の導入などに力を入れ、ワーク・ライフ・バランスの実現のため試行錯誤しています。

取り組み続けた結果「子育てサポート企業の証であるくるみん認定の取得」「残業時間が27時間から8時間に短縮」「年次有給休暇の平均取得率が6日から10日に増加」といった成果を得ています。

参考:働き方・休み方改善ポータルサイト「株式会社山下」

 

株式会社マイティネットの施策へのやらされ感の払拭

出典:ひろぎんITソリューションズ株式会社(株式会社マイティネット)ホームページ

会社分割された株式会社マイティネット(ひろぎんITソリューションズ株式会社)は従業員のやらされ感の払拭に取り組みました。

今まで取り組みはしていたものの企業主導による施策で従業員のやらされ感やコミュニケーション不足による不満が生じていました。

そこで、従業員と管理職の意識改革による生産性と満足度の向上を図るため従業員アンケートを実施し現状を把握。

アンケートの結果「企業のことをよく知らない」「仕事が減り給料が減る」など従業員目線の課題の見える化に成功しました。

施策として自社のホームページで取り組みを内外に通知し、現場に直接聞き取りをしてコミュニケーションを活性化、従業員に「意見を言えば検討してもらえる」という意識づけをしました。

さらに残業削減のため、従業員の取り組みに応じた褒賞を支給する方針を明確にし周知させつつ賞与の考課項目の見直しを実施。

アンケートにあった従業員の不安の払拭をはかりつつ、半日有給休暇制度の導入や終業時刻でPCの自動シャットダウンといった物理環境を整備することで意識改革をしました。

取り組みの成果として年次有給休暇の取得率69%、長時間労働部署の残業時間を6時間短縮させることに成功しています。

参考:Hintひろしま「“やらされている感”を払拭するタイム&マネー両取大作戦で会社の思いを共有」

 

まとめ:働き方改革における自社の課題を見つけて解決しよう

働き方改革により今までの働き方では時間・人手が足りず生産性が低下することがネックとなり、適応するためには効率的な業務遂行による生産性の確保が重要です

従業員の生産性の向上には、健康経営という職場環境の整備を通して従業員の健康状態を守り、いきいきと働かせる取り組みが効果的です。

健康経営は働きやすい環境作りをすることで従業員の健康促進をはかる取り組みで、働き方改革と共通する内容から親和性があります。

健康経営へのサポートツールとしてKIWIGOというサポートアプリがあります。

KIWIGOは、アプリを介して従業員のコミュニケーションの活性化や運動習慣を促すツールです。

自社における働き方改革の課題にコミュニケーションの促進がある場合、共通の趣味からつながれるKIWIGOは改善施策として有効なツールといえます。

KIWIGOを介して従業員のコミュニケーションを活性化させ自社の働き方改革を進めましょう。