近年、人間関係の希薄化が日本社会全体の問題となっています。
加えて、テレワークの普及やフレックスタイムの導入が進んだことで企業内でも従業員同士の交流機会が減少しています。
そうした状況下で「コミュニケーション不足を解消したい」「従業員の人間関係をよくして働きやすい環境を整備したい」と思っている経営陣の方は多いのではないでしょうか。
そこで取り入れたいのが、社内運動会です。
今回は、社内運動会のメリットや、成功させるためのポイントを紹介します。運動会開催時の注意点や対策、おすすめの競技も解説するのでぜひ参考にしてください。
社内運動会のメリット
社内運動会のメリットは、大きく分けて4つあります。
結束力が上がる
目標に向けてチーム一丸となり行動することの大切さや達成感を味わえるのが、運動会の魅力です。
誰かの苦手を得意な人が補ったり「頑張れ」と励まし合ったりしながら、同じチームのメンバーと協力することで、相手チームよりも良い結果を出せるようになります。
運動会によって向上したチームワークを普段の業務の中でも発揮できるようになれば、企業内の結束力が上がります。チームビルディングを目指す際にも、社内運動会が効果的です。
コミュニケーションが活性化する
従業員同士のコミュニケーションが円滑になるのも、社内運動会のメリットのひとつです。
会社では業務以外のことを話さない、同じ職場に人がいても積極的に会話しない、といった従業員は少なくありません。
しかし、社内運動会では競技を通して「優勝目指して頑張りましょう!」「〇〇さん、足速いですね!」などと、自然な会話が生まれます。
運動会という機会があれば、普段は話しかけにくいタイプの方にも、声をかけやすい雰囲気ができます。
業務中にはしないような日常会話や雑談をすることで、同じ企業で働く仲間の新しい一面も発見できるでしょう。
コミュニケーション不足が解消されれば、社内の風通しがよくなります。お互いに相談事をしやすくなるため、働きやすい環境作りにつながります。
従業員の健康意識が高まる
社内運動会は、日々の運動不足を見直すきっかけ作りとしても有効です。デスクワークが主流の職場では、従業員の運動機会が不足しがちです。
一方運動会を実施するとなれば、「そういえば最近、運動していない」「運動会までに体を動かしておこう」などと、運動に対する意識づけができます。
また、従業員の健康意識が高まると、病気による休業や退職が減少し生き生きと働ける環境が生まれます。
従業員の健康を守ることは、従業員にとっても企業にとっても大きな利益です。
リフレッシュできる
社内運動会は、仕事でストレスを感じている従業員のリフレッシュに効果的です。
スポーツ庁の調査では、運動・スポーツのストレス解消効果について「大いに感じる」「まあ感じる」と答えた人の割合は、20~70代のどの年代においても80%以上です。
スポーツによって前向きな気持ちになることで、業務に対するモチベーションも向上します。
意識の高い従業員が増えることで、社内の雰囲気が変わり従業員同士がお互いに良い刺激を与えあえるでしょう。
出典:スポーツ庁 平成28年度体力・運動能力調査の結果について
社内運動会に適した競技は?
社内運動会には、チームでできる競技や達成感を得られる競技が適しています。例は以下の通りです。
- 二人三脚
- 大縄跳び
- 障害物競走
- 綱引き
- ムカデ競争
- リレー
- 大玉送り
- 綱引き
また、最近では自宅のパソコンやスマートフォンから参加できるオンライン運動会も広まってきています。オンライン運動会でできる競技の一例は以下の通りです。
- マッチングジェスチャー:仲間と同じポーズが取れたら特典をもらえる
- 借り物しりとりリレー:家にあるものを使ったしりとりリレーをする
- パーセントマッチ:提示された%になる問題をチームごとに考える
- スマホシェイク:スマホをシェイクできた回数を競う
- 靴下履き競争:時間内に何枚靴下を履けるかを競う
- 筋トレリレー:4人1組で各自15秒ずつ筋トレを行い60秒ぴったりを目指す
オンライン運動会は、オンライン会議用ツールを使用すれば在宅勤務の状態でも開催できます。
従業員を集めることが難しいときや、各部署やチームごとなどの少人数で実施したいときにおすすめです。
社内運動会を実施する際の懸念点と対策
社内運動会を実施する場合は、事前に注意点を確認し対策を講じましょう。
怪我をする可能性がある
社内運動会では普段しない動きをするため、怪我につながる可能性があります。転倒したり骨折したりすることもあるので注意しましょう。
怪我のリスクを削減するためには、準備運動が大切です。しっかりと体をほぐすことで、関節や筋肉が動きやすくなります。
また、救急措置を予習する、近くの病院を探しておく、といった対策も必要です。万が一の事態に備えておくことで、実際に何かあった時にも焦ることなくスムーズに対応できます。
熱中症の危険がある
運動会を開催する際は、熱中症にも注意が必要です。小まめに水分補給を促し、空調管理や換気も徹底しましょう。
また、気温が高い時期の運動会開催を避けるのも方法のひとつです。夏場は熱中症のリスクが上がります。春や秋の過ごしやすいシーズンを選びましょう。
会場の予約が取りにくい
施設を借りて運動会を開催する場合、会場によっては人気が高く予約を取りにくい可能性もあります。運動会の準備は早めに開始しましょう。
交通アクセスのよい会場にすることで、従業員が参加しやすくなります。
また、従業員の家族や取引先を招く、グループ全体で合同開催するといった場合、休憩スペースがあるかも重要なポイントです。参加者が気持ちよく過ごせる環境を作りましょう。
感染症拡大のリスクがある
多くの従業員が集まる空間では、感染症拡大のリスクがあります。感染症対策について、社内運動会で活用可能なものをまとめましょう。
例えば、内閣官房のホームページでは感染症対策について以下が効果的だとされています。
- マスクは布やウレタンより、なるべく不織布を選ぶ
- マスクはすき間のないよう顔にフィットさせ、正しく利用する
- 機械換気が設置されていない場合、窓を開け換気を行う
- 換気の際は2方向で窓を開ける
事前に対策方法を通知する、対策方法についてまとめた用紙を作成し会場の人目につく位置に提示することが大切です。
感染症対策についてひとり一人の意識を高めることが、予防につながります。
社内運動会を成功させる6つの方法
社内運動会を成功させるための秘訣を6つ紹介します。
目的を共有する
社内運動会は、運営陣だけが意欲的に行っても意味がありません。運動会の目的を従業員や役員と共有することで、得られるメリットが大きくなります。
従業員の中には、「面倒くさい」「参加したくない」と考える人もいるでしょう。
なぜ社内運動会を開催するのか、どのようなメリットがあるのかを明確にして、社内運動会に向けてモチベーションを高める流れを作ることが大切です。
また運動会の開催が決まったら、複数の部署から人員を集め、なるべく早い段階で実行委員会を作りましょう。会場の確保や参加者への呼びかけなど、早めに準備を進めてください。
役割分担しながら準備を進める
運動会開催に必要な準備は以下の通りです。
- 【開催趣旨の決定】:目的や日程、参加人数の決定と経費の計算
- 【運動会の準備】:競技の決定やプログラムの作成、景品の手配、前日準備
- 【運動会開催当日】:司会や進行、片付け
- 【運動会後の処理】:会計報告
始めはトップダウン型で運動会開催を進めるのも、効果的な方法のひとつです。経営陣が意欲を持って運動会の準備・運営を始めることで、興味や関心を持つ従業員が増えます。
ただし、準備が進んでからもずっと経営陣が主導を取り続けると、従業員との間に温度差が生まれる恐れがあります。
そのため、競技内容の決定や、会場準備といった行程は全員で協力しながら役割分担をして進めるようにしましょう。チームワークやモチベーション向上にもつながります。
特典を用意する
優勝した場合の特典や景品があると、従業員のモチベーションが高まりやすいです。
景品や特典があれば「頑張って参加して良かった」「来年度も参加しよう」といったように前向きな気持ちになれます。参加者全員にプレゼントを用意するのもおすすめです。
社内運動会におすすめの景品の一例は以下の通りです。
- お菓子
- ギフト券
- 調理器具
- ゲーム機
- 高級食材
- 旅行券や宿泊券
どの年代でも利用できるもの、家にあっても困らないものなどで考えると、喜ばれやすい景品を選べます。予算と相談しながら景品を考えましょう。
運動が苦手な人も楽しめる内容にする
運動が苦手な人の場合、人前で運動をすることを苦痛に感じることもあります。
運動能力によって結果が左右される競技ばかりでなく、「運で結果が変わる」や「男女混合でできる」といった競技も積極的に導入しましょう。
多様な競技を取り入れることで、身体的な能力にバラつきがあっても劣等感や不公平さを感じずに済みます。
また、事前にアンケートを取り人気の高い競技を調べる、新しい競技を考案するといった方法もおすすめです。できるだけ多くの従業員が楽しめるイベントにしましょう。
家族も参加可能にする
「休日はできるだけ家族サービスをしたい」と考えている従業員は少なくありません。
プライベートを重視する従業員は、土日開催の運動会や任意参加の運動会には参加しない可能性があります。
そのため、運動会に家族で参加できるような仕組みを作るのも方法のひとつです。
従業員の家族にとって、社内運動会は会社の雰囲気を知ることができる貴重な機会です。職場に対する理解が深まれば、家族からの企業イメージ向上にもつながります。
また、会社と家族がつながることで従業員にとって働きやすい環境が作られれば、従業員の定着率も向上します。
できるだけ平日に実施する
休日や時間外に運動会をする場合、従業員の参加意欲が低下する可能性があります。「休みを返上してまで会社のイベントに参加したくない」と考える従業員は少なくありません。
従業員の家族参加をOKにする場合を除き、社内運動会はできるだけ平日の勤務時間中に実施しましょう。
平日に実施する場合、従業員側には「勤務時間中にスポーツができる」「休日出勤する必要がない」「同じ職場の人とコミュニケーションが取れる」といったメリットが発生します。
メリットが大きくなれば、その分活動に参加したいと思う人の割合も増えます。従業員が自発的に参加すれば、満足感や達成感も得やすいです。
まとめ:社内運動会を導入し働きやすい職場環境を作ろう
社内運動会のメリットは、従業員同士のコミュニケーションを活性化させることで働きやすい環境を作れることです。
目標に向けて一致団結する中で、自然と結束力が高まります。また、お互いを知り信頼関係が深まることで、業務の場でもチームワークを発揮できる機会が増えます。
ただし、なかなかイベントを実施する時間が確保できないケースもあるでしょう。社内運動会の開催が難しい場合、気軽に導入できる「KIWI GO」アプリがおすすめです。
「KIWI GO」は従業員のための福利厚生アプリとして、運動促進や従業員同士の交流の活性化をサポートします。
従業員がアプリをダウンロードしてスマートフォンやスマートバンドと連携すると、歩数や運動量が計測され、貯めたコインをごほうびに交換できます。
また、イベントの立ち上げや、同じ趣味を持つ仲間との交流も可能です。従業員のコミュニケーションを促したい時に最適なサービスであるため、ぜひ一度ご検討ください。