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近年、多くの企業が取り組んでいる働き方改革。2019年4月に働き方改革関連法案が施行されたことをきっかけに、注目を集めるようになりました。

この働き方改革に取り組む際に、セットで考えるべきテーマとして「健康経営」があります。

健康経営とは従業員の健康改善に取り組むことで、従業員が生き生きと働くことができるようになり、結果として生産性の向上につながっていくという経営手法です。


この記事では、働き方改革と健康経営の関係性と、働き方と絡めて健康経営を進める上でのメリットや推進方法について解説します。

働き方改革において健康経営が重要な理由

働き方改革とは、少子高齢化によって働き手が減少しているという背景から、生産性向上を目的に始まった改革です。
主に長時間労働の改善に取り組む企業が多数でしたが、業務量が変わらない状態でただ単に働く時間を減らしても、別でリカバリーをしなければならず、本質的な改善に繋がっていないケースも多くありました。
このような理由から、従業員の生産性を高めることに目が向けられるようになり、その手段の一つとして健康経営が重要視されるようになりました。

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そもそも健康経営とは

健康経営とは、従業員の健康を経営資源と捉え、従業員を大切にすることで活力向上を目指し、結果的に業績向上や企業価値向上につながると期待されている経営戦略のひとつです。

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特に近年、大きく分けて以下3つの理由から注目されるようになりました。

少子化による人手不足

少子高齢化が加速し、人口減少による働き手不足が深刻化しています。その結果、各企業で従業員の一人当たりの業務量増加に繋がっています。

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また政府は、定年年齢を引き上げることで労働力の確保に努めていますが、働ける年齢の引き上げには健康リスクも上昇するというデメリットもあります。

健康的に働ける期間を少しでも長くするため、健康経営への取り組みは必要不可欠だと言えるでしょう。

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健康保険による負担の増加

健康状態が悪い従業員が増えると、医療機関に通う人数も増加します。医療費が増えるということは、健康保険料も増加するということです。

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健康保険料は、企業と従業員の労使折半で支払うケースが多くなっており、保険料が増加すれば企業の負担額も増えます。これは企業の経営にも大きな影響を与えています。

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プレゼンティーズム・アブセンティーズムの問題

健康経営に取り組むうえで理解しておきたいのが、このプレゼンティーズム・アブセンティーズムの問題です。

「プレゼンティーズム」とは、出勤しているにも関わらず、心身の健康上の問題が作用して、パフォーマンスが上がらない状態のことを指します。

例えば、寝不足で頭が働かない、偏頭痛によってパフォーマンスが上がらないなどが挙げられます。
無理をすれば勤務できる状態ではありますが、ケアレスミスの増加をはじめ、作業効率や集中力の低下を引き起こします。

「アブセンティーズム」とは、心身の体調不良による遅刻や早退、就労が困難な欠勤、休職など、業務自体が行えない状態を指します。

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一人がアブセンティーズムの状態になってしまうと、関わるチームや組織に影響し、業務生産や業務効率の低下を引き起こすと考えられています。

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健康経営に取り組むことでプレゼンティーズム・アブセンティーズムの問題解消にも繋がっていきます。
業務に集中できるようになったり、従業員が生き生きと働くことができるようになれば、その結果自ずと生産性が上がっていきます。


これらの問題を解決するためには、従業員一人ひとりが健康な状態で業務に集中することができて、パフォーマンスを発揮できることが重要です。こうした考えから今、健康経営に注目が集まっています。

 

健康経営の概念については以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

健康経営とは?基本的な概念から進め方をわかりやすく解説!

 

健康経営と働き方改革をセットで取り組む相乗効果

健康経営と働き方改革をセットで考えることで、その相乗効果により社内に良い循環を生み出します。では具体的にどのように効果が出るのか詳しく解説します。

従業員の活力が向上し生産性が上がる

まず従業員の健康状態が良くなることで、従業員が職場で生き生きと働くことができます。そうすることで業務に対するモチベーションも上がっていき、パフォーマンス向上につながるでしょう。また従業員の病欠などによる人手不足による業務負担の増加なども減らすことができます。こうした良い循環ができることで、社内全体の生産性の向上が期待できます。
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離職率の低下

従業員が生き生きと働くことができる職場は、従業員にとって働きやすく居心地の良いと感じることができるでしょう。そのため離職率の改善も期待できます。
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ブランドイメージの向上

副次的な効果ではありますが、会社のブランドイメージの向上にも繋がる可能性があります。

例えば、健康経営の取り組みを対外的にも発信していくことで、採用活動の際に、働きやすい職場であることをアピールすることができます。しかしこれはあくまで従業員の健康を第一に考えて健康経営に取り組んでいった先で検討すべきことです。
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健康経営の導入の際に重要なポイント

健康経営は、企業戦略の一環として取り組むことが推奨されています。

「何となく健康に良さそうだから」
「労働時間をとにかく短くすれば解決する」

このような抽象的または短絡的な理由で実施するのではなく、あくまでも戦略の1つとして企業の経営陣が計画的に行うべきものです。

健康経営を導入するにあたり、必要なステップを解説します。

1.経営陣が積極的に働きかける

経営に関わることである以上、企業の経営陣が重要性や意義を理解する必要があります。
組織の上層部の人間が動かないと、部下は何をすべきか方向性がわからないからです。

そして、社内に浸透させるためには何が必要かを真剣に考え、導入へ向けて積極的に行動すべきでしょう。

従業員からの理解を得るには、朝礼や日報などで社内通知を促すだけでなく、健康経営の意義や重要性を説明する必要があります。

企業の責任者がイニシアチブを取り、従業員を引っ張っていくことで徐々に健康経営を社内に浸透させましょう。

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2.計画を立て人員配置を行う

経営陣が戦略として行う以上、健康経営は1つのプロジェクトとして進めていく必要があります。

まずは健康経営に関する窓口と役職を用意し、担当者を配置させましょう。

特に導入する最初の段階では課題が明確に見えず、行動して初めてわかることが多いからです。

もし担当者となった社員が健康経営について知らない場合「まずは教育から実施しよう」と具体的な行動に繋がります。

人員を配置し行動を促すことで、プロジェクトとして健康経営を具体的に促進できるでしょう。

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3.課題を具体的にする

健康経営に取り組む前に、自社が改善すべき課題を明確にしましょう。
現状把握をし、着手すべき課題を具体的にしないと目的と行動が一致せず失敗の原因となります。
例えば「労働環境を改善する」という目標を立てた場合、まずは労働環境を悪化させている原因を明確にする必要があります。

もしも「長時間労働がニュースで話題になっているから残業時間を減らしてみよう」など自社が抱えている課題との関係性が不明な施策を実行しても、効果が出る保証は少ないでしょう。

むしろ、場合によっては社員の負担を増やしてしまう結果となりかねません。
あくまでも自社の社員のための施策になるよう、問題点は明確にしましょう。

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4.プランニングと改善をする

目標を達成する為には具体的な計画と振り返りを行い、改善を繰り返すことが重要です。
ここではPDCAサイクルが健康経営でも有効になります。

まずは課題の解決に向けて「計画」を立て「実行」します。
そして、実行後は結果を「評価」して新たに出た課題に対して「改善」します。

たとえば、ストレスチェックをする場合、実施期間が短くスケジュール調整が難しいのであれば実施期間の延長や事前の日程予約を可能にするなどの対策が挙げられます。

このように結果から評価、修正して改善を繰り返せば、いずれ全職員にストレスチェックを実施できるようになるでしょう。

健康経営に取り組む際はこのように修正と改善を繰り返し、堅実に目標を実現していくことが重要です。

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5.情報発信をする

健康経営への取り組みで実践した内容や成果を社内に発信することで、社員の健康への関心を高めることができます。

健康経営への取り組みを始めて間もないうちは、社内で認知されず、施策を継続し辛い状況が想定されます。

健康経営を周知させるために、社内広報や朝礼の時間などを使い定期的に健康作りへの取り組みを発表することで、徐々に浸透するでしょう。

社員の健康意識を高めるために、五月病や熱中症対策など季節ごとに応じた取り組みをタイムリーに発信すれば意識改革や行動を促すことができます。

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まとめ:健康経営を導入して働き方改革を進めよう

健康経営を導入することで、社員の健康状態が良くなり、職場の雰囲気も明るくなることが期待できます。その結果、社員のパフォーマンスが向上するなど好循環を生み出すことができます。

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健康経営を進める手段としては、社員同士のコミュニケーションと運動の習慣化を促すアプリ「KIWI GO」の導入がおすすめです。

KIWI GOは職員の運動とコミュニケーションの促進をはかる福利厚生アプリです。

アプリを使えば社内イベントも簡単に企画できるので、普段運動をしない職員でも、趣味の合う仲間と交流しながら運動を始められます。

運動不足とコミュニケーション不足に悩んでいる方は、ぜひお問い合わせください。