経営手法について調べるなかで、健康経営という言葉を聞いたことのある方は多いでしょう。健康経営は、特にここ数年で一気に注目が集まっている経営手法の一つです。

 

健康経営とは

経済産業省の公式ホームページによると、健康経営は以下のように定められています。

「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。

企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。

健康経営は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つです。

出典:経済産業省

健康経営は、これまで個々人にゆだねられていた健康管理を、企業の戦略として実践することで従業員も会社も共に豊かになることが目的で始まりました。

従業員の健康を経営資源と捉え、従業員を大切にすることで活力向上を目指し、結果的に業績向上や企業価値向上につながると期待されている経営戦略のひとつです。

 

国が健康経営について促進しているプロジェクト

この健康経営は、国が力を入れている分野でもあり、健康経営銘柄と健康経営優良法人認定制度の2つの促進プロジェクトが実行されています。それぞれどう違うのか、順に見ていきましょう。

健康経営銘柄

「健康経営銘柄」とは、日本再興戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つであり、東証一部上場企業の中から原則1業種1社、「健康経営」に優れた企業が選定される制度です。

毎年3月頃、健康経営銘柄は健康経営アワードにおいて東京証券取引所と共同で発表され、令和元年度は30業種40社が選定されました。

東証一部上場企業と記載されている通り、健康経営銘柄は主に大企業向けに実施されている制度です。

 

健康経営優良企業認定制度

未上場企業や、中小企業等を対象として健康経営を推進するための制度が、健康経営優良法人認定制度です。

認定部門は、企業規模毎に分かれており、大企業を対象とした「大規模法人部門」と中小規模の法人を対象とした「中小規模法人部門」の2部門があります。

この制度には「ホワイト500」と「ブライト500」の二種類の称号があります。

まずホワイト500は、大規模法人部門の中で、健康経営度調査結果の上位500法人が認定されるものです。

ブライト500は、中小規模法人部門の中で「健康経営優良法人の中でも優れた企業」かつ「地域において、健康経営の発信を行っている企業」として優良な上位500法人が認定されるものです。

 

健康経営のメリット

健康経営には、業務効率化、イメージアップなどの効果があり、大きなメリットをもたらすとして注目されています。

ここからは健康経営の具体的な効果・メリットについて4つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。

 

離職率の低下

心身ともに健康でいきいき働けることにより、従業員の会社への満足度が上がり、離職率が低下します。

労働環境や人間関係が理由による離職は、どの企業にもあるでしょう。

しかし、働く環境の改善によりそうした問題を解決すれば、長期間働いてくれる社員の数は増えるはずです。

従業員も「楽しい」「やりがいがある」「満たされる」といった、心が満足できる要素があれば、仕事から離れることはありません。

元気に働ける環境を作れば、会社の雰囲気もよくなり長く安心して働ける社員が増えるでしょう。

 

生産性の向上

社員が健康になることは、生産性の向上にもつながります。

「健康になる」といってもアプローチ方法は様々で、体力増強からメンタルヘルスケア、勤務時間の見直しなど多岐に渡ります。

働く環境を見直し、従業員が健康になれば、生産性が上がるだけでなく、不注意やケアレスミスによる労災リスクも軽減できます。

あらゆる角度から健康増進に取り組むことで、従業員の気力体力ともに充実させることが可能になるでしょう。

 

企業イメージの向上

健康経営の推進は、企業イメージの向上にも繋がります。会社として健康増進宣言を発信すれば、「あの会社は従業員に対して真摯に向き合っている企業だ」という企業イメージが高まります。

企業イメージのアップは間接的に自社製品や自社サービスの広告にもなるため、健康経営に取り組むことで効果的な広報ができるようになるでしょう。

 

採用応募率の上昇

企業イメージが上昇することで、その会社に入りたい、その会社で働きたい、と思う人の数も上昇します。とくに現在、新卒採用・中途採用の中心となる20代は、働きやすい環境を重視するZ世代が大半です。健康経営により、Z世代に響く働きやすい環境を整えれば応募者数も増え、優秀な人材を採用しやすくなります。その結果、会社の収益アップにつながると考えられます。

 

健康経営のデメリットと解決策

では、反対に健康経営にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。デメリットを把握したうえで臨むと、よりスムーズに取り組めます。

 

すぐには成果が出ない

健康経営は、短期間取り組んだからといってすぐに成果が出るものではありません。

少なくとも成果が出るまでに一年は必要であり、その積み重ねで、徐々に社風と呼べる文化レベルにまで落とし込める戦略なのです。

そのため、健康経営で成果を出すには、根気強くコツコツ取り組む姿勢が求められます。

大切なのは、取り組む全員が「短期ではなく長期プロジェクトである」という前提を持つことです。

長期的な目線で目標を設定し、気持ちに余裕を持って取り組みを進めることで、少しずつ効果が見えてきます。

成果が数字で分かりにくい

健康経営の成果は離職率、採用応募率、健康診断の再検査率など数字にできる箇所もあるものの、なかなか数値化しにくいものです。

特に満足度などメンタルの状態は、目に見えない部分なのでどうしても分かりにくいでしょう。

成果をわかりやすい形で出すには、独自の満足度アンケートを実施するなどして、従業員の様子を数値化する必要があります。アンケート結果をもとにPDCAを繰り返し、より良い内容に改善していくことで従業員満足度も向上していきます。

 

目的が伝わりにくい

健康経営の効果は間接的なものなので、実施する目的が伝わりにくいです。

たとえば「この戦略に取り組むと給料が10%上がります」と言われれば、多くの従業員がすぐに取り組みたくなるでしょう。しかし、健康経営にはそういった分かりやすい目安がないのです。

健康経営により会社を良くして行くには、社内に健康の文化を根付かせる姿勢が大切です。

社内コミュニケーションを取りながら、少しずつ健康経営の目的と意義について従業員に理解してもらいましょう。

 

負担が増えたと感じやすい

健康経営は直接的に利益に結びつく経営施策ではないため、施策の実施により余計な負担が増えたと勘違いされることがあります。せっかく健康経営を導入しても、従業員側の意欲が低い状態では効果が出にくくなってしまいます。

しかし健康意識の改善は会社だけでなく、従業員にとっても大きなメリットです。健康経営を推進するときは、従業員にとってのメリットを辛抱強く伝えるようにしましょう。

 

健康経営の進め方

ここでは健康経営の導入方法について4つのステップに分けて、解説していきます。

 

健康経営のためのプロジェクトチームをつくる

まずは健康経営に取り組むプロジェクトチームを作ってください。

健康経営は一部の人だけが努力すれば補えるものではなく、会社全体で、従業員ひとりひとりが意識して、初めて成り立つ戦略です。

多くの従業員を巻き込めるよう、複数の部署と連携してプロジェクトチームをつくると良いでしょう。

 

課題、計画、評価基準を決める

次に、自社の課題は何なのか、その課題をいつまでに解決するのか、何をもって解決されたと成すのか、の評価基準を決めます。

自社の長期的な成長のためには、自社の課題を把握し、いつまでに解決すれば良いか明確に意識することが大切です。

また、せっかく課題を特定してもどのようにして課題の達成を確認すれば良いか決めていなければ、戦略として機能したかどうか分かりません。

社内にも社外にも宣言できる客観的な基準を決め、目標を共有しましょう。

 

施策内容を決める

評価基準が決まったら、実際の施策内容を決めます。必ずこうでないといけないという決まりはないので、社員の意見も取り入れながら自社の環境に合った施策を決めていきましょう。

例えば、残業時間の削減、テレワークの拡充、みなし残業の見える化など、企業主導でメスを入れることのできる項目も数多くあります。

企業と従業員が一丸となって取り組めるような施策を導入し、健康経営を促進しましょう。

 

健康経営の施策を告知する

施策内容を決定したら、あとは告知するのみです。

どんなに良い施策でも、公表しなければ多くの人に知られないままになってしまいます。企業や従業員にとって良いことはどんどん発信していきましょう。

 

ここでいう告知とは、社外と社内の両方です。

社外については、プレスリリースをして健康増進宣言をしたり、公式サイトの中に健康経営についてのページを作り、取り組みについて発信するなどの方法があります。

社内については、まず社内広報で健康経営の施策について伝えましょう。しかし、それだけで完全に告知が終わるわけではありません。

社内広報に全て目を通す従業員ばかりではありませんし、仮に目を通したとしても、そこから行動レベルに落とし込む従業員の数はさらに減ります。

従業員に対しては、なるべく対面コミュニケーションで、根気強く何度も繰り返し伝え続けていく姿勢が一番大切です。

 

まとめ:健康経営を積極的に促進しよう

企業にも従業員にも、両方にメリットがあるのが健康経営です。

健康経営は社内、社外にそれぞれ良い影響をもたらす経営方針であるため、会社の規模に関わらず導入を検討してみてはいかがでしょうか。

健康経営においては、まず気軽に始められる取り組みを実施し、長期的な目線で効果を確かめることが大切です。

 

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KIWI GOは、「働くすべての人が運動できる世の中に」という想いで作られています。

ゲーム感覚で楽しく運動を継続できる工夫がちりばめられているので、従業員の健康増進が期待できます。

また、同じ趣味を持つ社員同士で集まることができる機能もあり、社内コミュニケーションの改善にも繋がるでしょう。

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