健康経営における食事への取り組みは、企業の業績向上に及ぼす影響力の高さから、各企業で注目されています。

この記事をご覧になる方も、健康経営における食事への取り組みを意識してるのではないでしょうか。今回は、健康経営における食事への取り組みの必要性を確認し、食事への取り組み事例などを紹介していきます。

これから健康経営で食事に関して取り組むための参考にしてみてください。

 

健康経営で食事を取り組みにしている企業の割合

健康経営において「食事」に関して取り組む企業は、どのくらいいるのでしょうか。

まずは、どのくらいの企業が食事改善に取り組んでいるのか知っておきましょう。

 

株式会社日経リサーチでは、平成29年度3673社を対象に健康経営度調査をし、1239社の回答内容を集計し、データ化しています。以下がそのグラフです。

出典元:日経リサーチ

「社食などで健康づくり支援メニューを提供」を見てみると、全体の50.6%の企業が取り組んでいます。また、評価の高い上位企業に至っては、84.6%です。

このグラフから見ると健康経営において評価の高い企業の約8割は、健康経営において「食事」に注目して取り組んでいることがわかります。

健康経営で評価の高い企業の多くは、食事に関して何らかの取り組みをしていると言えるでしょう。

 

健康経営優良法人を目指すなら食事にも取り組もう

健康経営をすでに取り組み中または検討されている方のなかには、健康経営優良法人認定を目指している方も多いでしょう。

健康経営優良法人になるためには、健康経営度調査においていくつかの調査項目の基準を満たさなければなりません。

 

平成29年度の健康経営度調査の中には、食事への取り組みについて「Q36.★食生活改善に向けた具体的な支援(研修・情報提供を除く)を行っていますか。」という調査項目があります。

また、令和3年度の健康経営度調査においても同様の調査項目は継続されています。

ゆえに健康経営に関して認定を受けるため、「食事」への取り組みは無視できない重要なものだと言えるでしょう

参考:経済産業省 平成29年度 健康経営度調査

 

食事への取り組みでのビジネス効果とは

健康経営における食事への取り組みが注目を集め、多くの企業が実践していることがわかりました。注目を集める理由は、その効果や業績にもたらす影響力の高さです。

そこでここからは、健康経営における食事への取り組みに、どんなビジネス効果があるのか解説していきます

 

生産性が向上する

従業員の業務におけるパフォーマンスのレベルを高い状態に保つためには、心身ともに健康であることが重要です。

たとえば、空腹による業務では、だるさや集中力の低下、イライラなど心身ともに働くことができません。

多くの従業員のパフォーマンスが落ちれば、それだけ生産効率も多く減少します。反対にパフォーマンスを上げることができれば、生産性が大きく向上します。

「食事」は、心身ともに健康にするための手段として、とても有効な手段です。食事改善で生産性の向上を目指しましょう。

 

医療費が抑えられる

ビジネスにおいて、削減できる費用は削減したいものです。健康経営では、医療費負担の削減に大きな期待ができます。

厚生労働省の「令和元年度国民医療費の概要」によると、国民の医療費の総額は、44兆3,895億円です。そのうち、21.3%の割合の9兆4,594億円が事業主の負担となっています。

これは企業でも同じです。従業員の健康状態が悪ければ医療費が多くなり、企業側の医療費負担も大きくなります。

ゆえに食事による健康改善をすれば、医療費が削減できるでしょう。

食事による健康改善では、生活習慣病の予防や脂質異常症、高血圧など様々な予防効果が期待できます

企業だけでなく社員にとっても、医療費の喜ばしいことです。健康経営で食事に取り組み、医療費の削減に取り組みましょう。

参考:厚生労働省「令和元年度国民医療費の概要」

 

企業イメージが向上する

社員の健康を経営的視点で改善に取り組む企業は、社員が健康で働ける環境として、社内や外部からの企業イメージが向上します。

社内であれば、従業員の満足度が上昇し、モチベーション向上や離職率低下などの効果が期待できます。

また社外であれば、取り組みをPRすることで、企業のイメージアップに繋がります。「社員のための取り組みができる会社」として取引先からの信頼にも繋がるでしょう。

食事への取り組みは、社内や社外からのイメージ向上に繋がるため、積極的に取り組むことが大切です

 

健康経営における食事改善の取り組み事例

ここまで、食事改善によるビジネスでの効果を紹介しました。しかし、健康経営における食事改善には、具体的に一体どんな取り組みがあるのでしょうか。

ここからは多くの企業が実施している食事改善への取り組み例を4つ紹介していきます。食事への取り組み内容に悩んでいる方は、参考にしてみてください。

 

社食サービスの導入

社食サービスとは、従業員の食事環境を快適にし、健康管理に役立てることを目的とした食事補助サービスです。

従来の社食サービスといえば、「社員食堂」が一般的でしょう。

しかし、設置費用や立地、企業規模などを考えると、すべての企業が取り組むには困難です。したがって近年では、以下3つのような社食サービスの広がりを見せています。

  • 社内の決まった場所で食事を提供(社員食堂)
  • お弁当のデリバリー
  • 好きな時にご飯が食べられる設置型

お弁当のデリバリーや設置型サービスのなかにも、お店と変わらないようなクオリティの食事を提供しているところが多数あります。

社員食堂が導入できない場合は、検討してみましょう。

 

サービス導入の際は、次の点を意識してサービスを選ぶことが大切です。

  • 会社内で食事を取れているか
  • どこで食事を取りたいか
  • 希望の価格は
  • 導入してほしいメニューなど
  • 重視したい点は(価格・栄養・味)など

働いている環境によって食事スタイルも変えて行かなければ、健康改善ができません。

それぞれの会社にあった従業員が喜んでもらえるような社食サービスを導入しましょう。

 

食育や健康セミナー開催等による指導

健康面を考慮した食事環境を準備しても、意識改善をしなければ「食べられれば、なんでもいい」「食事に関して、意識していない」という事態になりかねません。

そのような事態を防ぐため、食育や健康セミナーの開催等による食事と健康に関する指導も同時に行っていくことが大切です

多くの方に参加してもらうため、「体の疲れをとってくれる食材」「よく眠れる食事方法」など社員が興味あるテーマでセミナーを開催すると効果的です。

または、マルシェや試食などを開催して、楽しみながら、食に対し興味を持ってもらうなど。様々な工夫をしてみましょう。

食事と健康に対する興味が高まれば、知識や健康改善に取り組む姿勢も変わってきます。地道な食育や健康セミナー等の活動が大切です。

 

管理栄養士等の相談窓口を設置

健康面を意識した食事改善を考えている場合、専門的な知識を要する管理栄養士等の相談窓口の設置が効果的です。

健康経営はあくまでも経営視点での活動になってしまい、食事の具体的な指導は、専門的な知識がない限り困難ではないでしょうか。

そのため健康経営を進めるにあたっては、専門的な知識を要する管理栄養士などの存在が大切です。

近年では、地域の保健センターへの相談や専門サービス相談窓口との連携、またはアプリを利用した健康相談チャットツールの導入など気軽に相談できるサービスがあります。

自社に合った方法を探してみましょう。

 

福利厚生による食事補助

福利厚生とは、企業(雇用主)が従業員(労働者)やその家族の健康や生活を向上させるために実施する施策・取り組みの総称です。

したがって、使える福利厚生は無視せず、積極的に利用しようとする従業員がほとんどです。

多くの従業員に利用してもらうなら、食事に関して福利厚生という形式で制度を導入するのがおすすめです。

 

食事関連の福利厚生には、以下のようなものがあります。

こうしたサービスなら、福利厚生制度を活用してもらいながら、健康経営を促進させることができます。

福利厚生制度を使い、従業員の満足度をさらにアップさせましょう。

 

「健康な食事・食環境」認定企業の利用も検討しよう

健康な食事・食環境認定企業とは、外食・中食・事業所給食において、健康的な空間(栄養情報の提供や受動喫煙防止等に取り組んでいる環境)で、食事を提供している店舗や事業所を認証する制度です。

特定非営利活動法人日本栄養改善学会と日本給食経営管理学会が中心になり、食環境整備の推進を行うことを目指しスタートした制度です。

審査を通じ、認定されると「スマートミール認定企業」としてロゴマークを掲げることができます。

この事業で言う健康な食事とは、健康に資する可能性のある栄養バランスのとれた食事をいいます。つまり主食、主菜、副菜のそろった食事ができるということです。

従業員に方に「栄養バランスの取れた食事を提供したい」このように思われている方には、スマートミール認定企業と提携する事業所を選ぶことがおすすめです。

以下のサイトでは、スマート認定企業制度のさらに詳しい情報や認定企業を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

参考:「健康な食事・食環境」 コンソーシアム事務局

 

食事に対する各企業の取り組み事例

健康経営において、食事を改善するにはどのような取り組みをしていけばいいのか。実際に食事改善を始めようにも、どうすれば良いか分からずお悩みの方もいるでしょう。

そこでここからは、農林水産省が紹介している情報を元に、各企業における健康経営での食事への取り組み事例を見ていきます

具体的な取り組み方法を知るため、ぜひ参考にしてください。

参考:農林水産省

 

株式会社日比野設計の事例

出典:株式会社日々野設計

株式会社日比野設計では、設計会社という特性から、「深夜0時過ぎまで働くのが当たり前」という社風があり、社員から否定的な意見がありました。

このままの働き方でいいのか、経営陣側も懸念を抱いたことを背景に、以下のような取り組みを実行しています。

 

①【レストランの設置】

近隣に飲食施設が乏しいことに加え、深夜に及ぶ長時間労働の常態化を改善する目的で、一般開放する“レストラン”を設置し、朝食と昼食を提供

 

②【昼・夜の食事提供から朝・昼に変更】

夜遅くまで仕事をしていることもあり、 最初は昼食と夕食の提供を開始。 しかし、夕食を出すと却って残業の助長 になることが判明し、提供は朝・昼のみに変更

 

③【良質な食材の使用と 地産地消への取組】

“地産地消”を心がけ、添加物を含まない良質の食材を用いた高品質な食事を提供

 

また、異なる部署の社員が親しく話し合い共食できるレイアウトを取り入れ、 所属部署を超えたコミュニケーションの活発化にも成功しています。

結果、労働時間の短縮やコミュニケーションの向上、社員満足度の向上が実現できました。

 

株式会社金子製作所の事例

出典:株式会社金子制作所

株式会社金子制作所では、社員数が50名を超えた時より、健康経営をはじめています。「社員の真の幸せの実現」を追求して、始まったのが以下のような取り組みです。

 

①【バランス朝食の提供】

工業団地内に所在し、近隣に飲食施設がない環境下において、職場に潤いをもたらす“カフェ”を社内に設置し、コーヒーや朝食を提供 

 

②【健康的な仕出し弁当の提供】

健康な食事・食環境認定企業(スマートニール認定企業)と提携し、健康的な仕出し弁当を提供

 

③【定期的な食育研修】

正しい食習慣を学ぶ機会を提供することで、食生活の習慣を変えることを目標に定期的に食育研修を開催

 

施策の結果、カップ麺で食事を済ませていた社員がバランスの良い食事を摂るようになり、結果食生活に変化がみられたほか、食に対する関心も向上しました。

 

味の素株式会社の事例

出典元:味の素株式会社

味の素株式会社では、同社流の「健康経営」 として、「グループで働いていると、自然に健康になる」をコンセプトに健康経営に取り組んでいます。

 

その一環として、食事に対する取り組み内容には、以下のようなものがあります。

 

①【ICT を活用した健康状態の可視化】

PC上で健診結果、就労状況、生活習慣状況を一元把握できる「My Health」システムを構築。

 

②【健康メニューの提供】

社員食堂のメニューの一つとして、健康推進センターが監修する健康支援メニューを提供

 

③健康増進施策を支える全員面談

産業医・保健師が、保健指導(栄養教育 含む)を社員全員に毎年実施

 

このような取り組みの結果、味の素は働きがいを感じる社員や心と体が健康に感じる社員の増加に成功しています。

 

まとめ:食事からのアプローチで健康経営を促進させよう

健康経営における「食事」への取り組みは、心身ともに健康状態を維持するため、重要な項目です。

生産性の向上や従業員満足度、企業イメージの向上など、食事への取り組みで得られる効果は、企業業績に大きく影響を及ぼします。

当記事では、健康経営における食事への取り組みへの必要性や事例などを紹介してきました。この記事を参考にして、「食事」をテーマにした健康経営の取り組みを始めましょう。

 

最後に、健康経営の取り組みにおすすめな「KIWI GO」について紹介します。

KIWI GOは、運動不足の改善や社内コミュニケーションの向上を図りたい方向けに、福利厚生の一環として、手軽に利用できるアプリです。

食事への意識向上にも役立つので、取り組みの施策にお悩みの方はKIWI GOの導入を検討してみてください。

公式ホームページ:KIWIGO