経営方針として、従業員に運動の機会を促すスポーツエールカンパニーへの認定が注目されています。
本記事では、スポーツエールカンパニーの事例と、取り組むべきメリットや期待される効果について解説していきます。
スポーツへの取り組みで従業員の健康を増進させたい企業、スポーツに興味を持っている社員が多い企業は、ぜひチェックしてください。
目次
スポーツエールカンパニーとは
スポーツエールカンパニーとは、「従業員の健康増進のためにスポーツの実施に向けた積極的な取組を行っている」としてスポーツ庁から認定された企業のことです。
スポーツエールカンパニーはスポーツ庁により2018年より募集が開始され、延べ2000社を超える企業が認定されています。
健康的なライフスタイルを維持するためには、適度な運動が不可欠です。
しかし、スポーツ庁の調査によると週1回以上スポーツをしている20代〜50代の割合は、全世代の平均よりも低い結果となりました。
その理由として、働き盛りである20代〜50代は仕事や家事・育児によりスポーツに取り組む時間が取れない、といったことが挙げられます。
そこで、この世代が長い時間を過ごす職場において運動の機会を提供し、スポーツを奨励する企業をスポーツエールカンパニーとして認定し、スポーツを奨励する制度が開始されたのです。
スポーツエールカンパニー認定のメリット
スポーツ庁による第2期スポーツ基本計画では、「成人の週1回以上のスポーツ実施率が65%程度(障害者は40%程度)となることを目指す」と発表されています。
スポーツエールカンパニー制度の導入で企業が社員の健康増進に取り組めば、国民全体のスポーツ実施率の向上が期待できるため、国にとってのメリットは大きいでしょう。
それでは、企業側にはどんな効果が期待できるのでしょうか。ここからは、スポーツカンパニーに認定されることによる企業のメリットを解説します。
社会的評価の向上
スポーツエールカンパニーに認定されると、スポーツ庁のWebサイト上で企業名や取り組み事例が公表されます。
以下は、スポーツエールカンパニー2022として公表された企業の一覧です。
これまで、従業員の健康管理は個人の責任という考えが主流でした。
しかし少子高齢化による将来的な労働力不足が課題となった今、従業員の健康管理に注力する企業が増加し、健康管理に取り組む企業の評価は上がっています。
そのため、スポーツエールカンパニーに認定されることで、従業員が健康になるだけでなく、企業の認知度やイメージアップにつながることも期待できます。
運動に取り組み生産性が上がる
企業が従業員に「スポーツ」を奨励することで、個人のストレスが解消されるだけでなく、従業員全体の健康や生産性が向上することが期待されています。
スポーツ庁による調査では、運動やスポーツをすることでストレス解消効果を感じると答えた人が男女・年代問わず90〜95%となっています。
出典: 平成28年度体力・運動能力調査結果の分析 スポーツ庁
少子高齢化により、医療費が増大し、生活習慣病や介護へ有効な対策が急務となっています。
また、テレワークの普及により、運動不足やメンタルの不調といった健康問題に繋がることも課題です。
従業員が病気にならず健康に就業し続けられるためには、ストレスを溜めすぎない就業環境を作ることが不可欠となります。
スポーツを推奨し、スポーツエールカンパニーに認定されることでこれらの課題の解決も期待できるでしょう。
ハローワークでの求人時に指標となる
2022年6月より、ハローワークの求人票に表示できるPRロゴマークに、スポーツエールカンパニーのマークが追加されました。
出典:スポーツエールカンパニーロゴマークのハローワーク求人票への表示方法
このようにロゴマークを使えば、企業が従業員の健康増進に取り組んでいることを効果的にアピールできます。そのため応募者からのイメージが良くなり、応募の増加につながることが期待できるでしょう。
経営面でもプラスの効果がある
経済産業省の調査によると、従業員の健康増進に取り組む企業では、開始以前に比べて企業の利益率が相対的に高いと発表されています。
従業員がスポーツに取り組み、健康な状態を維持できることで、長期的な目線で経営面でも企業にとってプラスになることが期待できるでしょう。
スポーツエールカンパニー認定に向けた取り組み事例
ここからは、スポーツエールカンパニーに認定された企業で、具体的にどのような取り組みが行われているのか紹介します。自社の参考になるものはないか、チェックしてください。
株式会社ナガセ ビューティーケァ
メイクアップから健康食品まで幅広い商品を取り扱う株式会社ナガセ ビューティケァでは、「ビューティーアドバイザー」など女性のための仕事の場も提供しています。
株式会社ナガセ ビューティケァは、総合美の創造を目指して、安全で高品質な商品とサービスの提供を通じて、美と健康にあふれる豊かな社会づくりに貢献したいと考えています。
また、株式会社ナガセ ビューティケァでは、2018年より従業員に対して「タニタ健康プログラム」を採用し、従業員の健康増進に取り組みはじめました。
歩数などの運動量を見える化できる「タニタ活動量計」と健康管理Webサービス「からだカルテ」アプリを活用し、運動習慣を促進しています。
出典: スポーツ庁「スポーツエールカンパニー2022」認定 ナガセ ビューティーケァ
東急住宅リース株式会社
出典:東急住宅リース株式会社
東急住宅リース株式会社では、マンション、アパート、戸建などの賃貸経営や、資産運用のアドバイスを行っています。
東急住宅リース株式会社は、オンラインオフラインでスポーツ施策に取り組み、スポーツエールカンパニーに認定されました。
ランニング、バスケットボール、野球、テニスなどの社内運動クラブには、活動支援の補助金支給を行っています。
さらに、年1回ウォーキングアプリで歩数を計測し、競い合うイベントを開催するほか、フィットネス動画アプリを活用した運動イベントも実施しました。
現在も社内SNSを活用し、コロナ禍でも従業員の安全を保ちながら従業員のコミュニケーション活性化に取り組んでいます。
参考: 東急住宅リース、スポーツ庁より「スポーツエールカンパニー2022」に初認定
鈴与商事株式会社
出典:鈴与商事株式会社
鈴与商事株式会社では、エネルギー・建材・化学品・電機機器・オフィス製品等さまざまな商材を法人から個人まで提供しています。
鈴与商事株式会社は、2017年9月に「健康宣言」を制定するとともに、健康経営推進委員会の発足や、「健康経営優良法人(大規模法人部門)ホワイト500」の認定など、健康経営を推進しています。
また、コロナ禍でも自宅でできる運動について発信する「健康だより」を発行して従業員の健康促進に取り組みました。
さらに、従業員の運動習慣の継続にむけた費用補助にも積極的です。従業員のスポーツ施設の利用費の補助を行うほか、鈴与グループ体育文化会(サッカー、テニス、ランニング等)の運営費用の一部を会社で負担し、運動を推進しています。
スポーツエールカンパニーと助成金
スポーツの機会を増やし従業員が健康になれば、企業全体にも良い影響が出てくるでしょう。
しかし、取り組みのためには費用がかかるため、ハードルが高いと感じる企業は多いのではないでしょうか。
2022年現在、スポーツ庁の公式webサイトではスポーツエールカンパニーの助成金に関する情報は発表されていません。
ですが、健康経営に関しては厚生労働省からの助成金制度があります。
健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。
従業員の健康促進を目指すなら、助成金が活用できる健康経営に取り組んでみましょう。
スポーツエールカンパニーを目指す際のポイント
スポーツエールカンパニーとしてスポーツを推進するには、一部の部署だけでなく、企業全体で推進活動に取り組まれている必要があります。
経営層や一部の部署だけでなく、従業員全体で健康増進に取り組み、その活動を記録に残すようにしましょう。
スポーツエールカンパニーの認定では、事業所全体でスポーツに取り組んだ実績を証明できる研修資料、社内アンケート、写真などを申請時に提出します。
スポーツ選手の支援は対象外なので、就業時間内に体操やストレッチの機会を設ける、業務時間外のスポーツ活動を奨励するなど、従業員が運動に取り組む具体的な活動が必要です。
自社の従業員が積極的にスポーツに取り組めるよう施策を練り、会社全体で実行に移しましょう。
まとめ: スポーツエールカンパニー認定で従業員の健康を促進しよう
従業員にスポーツをする習慣を奨励することで、従業員のストレスが解消され、長期的には経営面でプラスの効果が期待できます。
また、認定マークが付与されることにより、社会的評価の向上や、従業員の健康促進に取り組む企業としてのイメージ獲得にも繋がります。
スポーツを積極的に奨励し、従業員の健康を増進するとともにスポーツエールカンパニーの認定を目指しましょう。
従業員の運動を促進したいなら、手軽に運動をサポートできるKIWI GOの活用がおすすめです。
従業員同士でコミュニケーションを取りつつ運動に参加できるため、テレワークにより交流の機会が減ってしまった企業におすすめです。
従業員の健康増進と交流機会の増加を狙うなら、ぜひKIWI GOの活用をご検討ください。