健康経営度調査とは、企業の健康経営に対する取り組み内容の状況分析や経年変化を確かめるためのものです。

健康経営に先立ち、健康経営度調査の概要が気になる経営者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、健康経営度調査の意味や目的、調査項目を紹介します。また、健康経営度調査に取り組むメリットや回答手順もあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。

なお健康経営度調査は、本来健康経営優良法人における大規模法人部門の認定を取得するために実施されるものです。

そのため、当記事は基本的には大規模法人部門の対象企業に向けた内容となります。

ただし本記事で紹介する健康経営度調査の内容、活用方法は中小企業にも当てはまるものです。健康経営を目指す経営者の方は必見の内容です。

 

健康経営度調査とは

健康経営優良法人の取得に際して、初めて「健康経営度調査」という言葉を聞いた方も多いのではないでしょうか。ここではまず、健康経営度調査の概要を紹介します。

 

健康経営度調査の意味と目的

健康経営度調査とは、毎年次のことを目標として経済産業省が毎年実施している調査です。

  • 健康経営優良法人認定や健康経営銘柄選定のための情報収集
  • 健康経営に対する取り組み状況の分析や、経年による変化を確かめるため

健康経営度調査の主な目的は、各企業の健康経営に対する取り組み内容を確認することです。

適切な取り組みを実施している企業は、健康経営優良法人認定や健康経営銘柄の選定を受けられる可能性があります。

健康経営度調査の実施期間は主に8月末から10月末であり、健康経営優良法人、健康経営銘柄の発表は翌3月ごろです。計画的に実施しましょう。

また健康経営度調査に参加すれば、フィードバックから自社の強みや対策が不十分な項目もわかります。健康経営の計画を立てる際や、課題を見つける際にも有効です。

参考:経済産業省 健康経営度調査について

 

健康経営優良法人・健康経営銘柄との関連

健康経営優良法人認定制度とは、健康経営に取り組む法人の中で優良な活動が見られる法人を見える化するための制度です。

大規模法人部門でTOP500社に選ばれた場合「ホワイト500」が、中小規模法人部門でTOP500社に選出されると「ブライト500」の称号が与えられます。

また健康経営銘柄とは、戦略的に健康経営に取り組む企業を評価するための制度です。

東京証券取引所の上場企業33業種の各業種の中から1社ずつ選定されるもので、経済産業省と東京証券取引所が共同で実施しています。

健康経営優良法人認定(大規模法人部門)や健康経営銘柄の選定を受ける際は、健康経営度調査を実施しなければなりません。

調査を実施しなかった場合、健康経営の評価対象外です。

参考:経済産業省 健康経営優良法人認定制度

参考:経済産業省 健康経営銘柄

 

健康経営度調査に参加するメリット

健康経営度調査への参加は義務ではありません。しかし、調査に取り組むとさまざまなメリットを享受できます。

 

自社の現状を把握できる

健康経営度調査を実施すると、後日回答内容やフィードバックを確認できます。

フィードバックを見れば、自社における健康経営の状態確認や分析が可能です。強みや改善点を把握することで、今後の取り組み方を見直せます。

健康経営度調査調査の主な対象は大規模法人ですが、中小企業においても任意で実施できます。

健康経営の効果が現れにくく悩んでいる場合や、健康経営の効果をさらに実感したいと考えている企業に最適です。

 

他社の取り組み内容を確認できる

経済産業省の公式ホームページでは、他社の回答内容やフィードバックの一部が公開されるため他社の取り組み内容や評価、偏差値も確認できます。

自社の取り組み内容と比較したり、他社の良い点を取り入れたりしながら試行錯誤することで、健康経営に良い影響がもたらされます。

「どのように健康経営に取り組めばよいかわからない」「競合企業の取り組みを参考にしたい」と考えている企業は、健康経営度調査を実施しましょう。

 

社会問題に関する意識を高められる

健康経営度調査の内容には、SDGsやESG投資など、企業の社会的責任について問われる項目もあります。

社会的責任を担い社外活動にも積極的に活動する企業は、社内外からの評価が上がる傾向あります。

調査に参加することで自社の問題だけでなく、社会問題全体に目を向けるきっかけになるでしょう。

 

健康経営度調査の評価項目

引用:株式会社日経リサーチ 令和3年度 健康経営度調査

実際に健康経営度調査でチェックされる項目は「経営理念・方針」「組織体制」「制度・施策実行」「評価・改善」「法令順守・リスクマネジメント」の5つです。

それぞれの項目における評価の割合は以下のように設定されています。

項目

割合

経営理念・方針

30%

組織体制

20%

制度・施策実行

20%

評価・改善

30%

法令順守・リスクマネジメント

0%

 

ここでは、各項目の具体的な内容を紹介します。

参考:株式会社日経リサーチ 令和3年度 健康経営度調査

参考:経済産業省 令和3年度 健康経営度調査

 

経営理念・方針

調査項目のピラミッドにおける頂点に位置するのが、「経営理念・方針」です。具体的に、以下のような質問が設けられています。

  • 健康経営の方針を社内外に発信しているか
  • 健康経営の目的や体制をどのように公開しているか
  • サプライチェーンにおいて取引先の取り組みの支援行っているか

経営理念・方針の項目においては、健康経営に取り組んでいることを社内外に発信しているかどうかが重要です。

健康経営に取り組む際は、まず何を目的としているかを明確にし、健康経営に取り組むことを公示しましょう。積極性が評価されます。

 

組織体制

組織体制の項目では、健康経営を実施する組織や体制に関する質問が設けられています。一例は以下の通りです。

  • 健康経営の推進の専門職の担当者の人数は何人か
  • 全社における健康経営の推進の最高責任者の役職は何か
  • 健康経営の推進に関して、経営レベルの会議ではどのような内容を議題にしているか

健康経営を適切に運営できているか、体制は整っているか、産業医や保健師は関与しているかといった点がチェックされます。

健康経営は計画的に実行しなければ、思うような効果を得られません。

健康経営優良法人認定や健康経営銘柄への選定を表面的に目指すだけではなく、まずはしっかりと現状に目を向け、健康経営のための基盤を作りましょう。

 

制度・施策実行

制度・施策実行の項目では、健康経営の具体的な施策内容や取り組み状況が評価されます。質問内容の一例は以下の通りです。

  • ストレスチェックを実施しているか
  • 従業員の健康診断の実施について集計しているか
  • 従業員の健康課題を踏まえ、健康経営の具体的な推進計画を定めているか

従業員の健康診断結果の調査や、ワークライフバランスの推進、病気の治療と仕事の両立支援の有無など複数の項目が設定されています。

具体的な数値で達成できているか判断しやすい項目であるため、計画的に進めやすいでしょう。

 

評価・改善

評価・改善の項目も、評価割合は30%と高く設定されています。具体的な設問内容の一例は以下の通りです。

  • 正社員の一人当たり平均実労働時間はどのような状況か
  • 従業員の生産性や組織の活性度について、どのような指標を測定しているか
  • 昨年度までの健康経営の実施について、どのように効果検証を実施しているか

自社の取り組みをどのように評価し改善しているか、PDCAサイクルを回しているかどうかといった点が評価されます。

健康経営の効果が出ずどのように健康経営を推進していくか悩んでいる企業にとって、重要なチェック項目です。

 

法令順守・リスクマネジメント

法令順守・リスクマネジメントの項目では、法律に則り適切に健康経営が実行されているかどうかがチェックされます。具体的なチェック内容は以下の通りです。

  • 定期健康診断を実施しているか
  • 労働基準法などの法律に違反していないか
  • 50人以上の従業員が働く企業ではストレスチェックが実行されているか

評価項目ではなく適否判定されるものであるため、調査に占める評価割合は0%です。

ただしこの項目をクリアできない場合は、健康経営の優良法人であるとは言えないでしょう。

 

健康経営度調査の回答手順

健康経営度調査を実施する際の手順と方法を紹介します。

 

【東京証券取引所上場企業】

1.案内が送られてくる

2.専用サイトで健康経営度調査をダウンロード

3.必要事項を記入したデータをアップロードして提出する方法で申請

 

【非上場企業】

1.ID発行サイトに登録

2.専用サイトで健康経営度調査をダウンロード

3.必要事項を記入したデータをアップロードして提出する方法で申請

 

手順の違いは、IDの発行の有無です。非上場企業の場合自身でID発行サイトに登録し、健康経営度調査の準備をしなければなりません。

一方、東京証券取引所上場企業では、経済産業省から自動的に案内が送られてきます。見逃さないよう注意しましょう。

健康経営度調査に回答すると、経済産業省のホームページにて調査票の回答内容とフィードバックシートの一部が公開されます。

自社の状況分析や課題の発見、他者の取り組み内容の確認などに活用しましょう。

 

健康経営度調査フィードバックシートの見方

引用:経済産業省 令和3年度 健康経営度調査フィードバックシート <サンプル>

フィードバックシートとは、健康経営度の調査結果です。

健康経営度調査を実施すると取り組み状況が点数化され、健康経営を実施する他の企業との比較や総合順位などを確認できます。

フィードバックシートを有効活用し、自社の健康経営をより充実させましょう。ここでは、フィードバックシートの見方を紹介します。

参考:経済産業省 令和3年度 健康経営度調査フィードバックシート <サンプル>

 

健康経営度評価結果

フィードバックシートの最初に記載されるのは、健康経営度評価結果です。健康経営における自社の取り組み内容について、総合順位と偏差値を確認できます。

取り組み内容がどれくらい評価されたのか、他者と比較してどれくらい実行できているのかといった大体の内容がわかります。

また評価の内訳では、「全体トップ」「業種トップ」「業種平均」もチェック可能です。項⽬毎の最⾼値が記載されるため、どれくらいの差があるかを確認できます。

なお健康経営の評価項目の点数については、各側⾯の数値に重みを掛けた値を合算して、得点と順位が算出されます。

 

評価の変換

評価の変換の項目では、直近5回(5年)の調査結果をチェック可能です。順位や偏差値が前年度に比べてどれくらい上がった(下がった)かを確認できます。

毎年の数値の変化が一目でわかるよう、表だけでなくグラフでも記載されます。

経年に伴い健康経営の効果は出始めているか、点数の低い年と高い年ではどのような違いがあるのか分析し、今後の健康経営に活かしましょう。

 

健康経営の戦略

健康経営の戦略では「健康経営で解決したい経営上の課題」や「健康経営により期待する効果」が明記されます。

ただし、これは健康経営度調査の際に自社が回答した内容です。

丁寧に記載することで、「何のために健康経営を実施するのか」「何を目指すのか」を、フィードバックシートで社内外に開示できます。

健康経営度調査の「Q18」「SQ2」はしっかりと記載しましょう。

 

具体的な健康課題への対応

最後に「具体的な健康課題への対応」として、課題分類ごとの偏差値と業種平均が記載されます。実施内容が適切であったか、企業の実態と対策が合致しているかを判断できます。

重点を置いている具体的な施策と効果も記載されるため、自社の取り組みによってどのような効果が得られたか客観的な分析が可能です。

評価の高い項目と重点を置いている項目にズレがないか確認しましょう。

 

まとめ:健康経営度調査を実施して自社の活動内容を分析しよう

健康経営度調査を実施することで、自社の健康経営の中で評価できるポイントや強化すべき点が明確になります。

調査に参加するとフィードバックシートがもらえるため、他社との比較、不足する点の確認も可能です。状況をしっかりと分析し従業員の働きやすい環境を作りましょう。

なお、健康経営には「KIWI GO」が最適です。

「KIWI GO」は従業員のための福利厚生アプリで、従業員の健康促進やコミュニケーションの活性化を目指す企業に適しています。

アプリをダウンロードすると自動的に歩数を集計し、貯まった歩数はプレゼントに交換可能です。

また、アプリ内ではイベントの立ち上げもできます。従業員同士の交流のきっかけを増やすなら、KIWI GOがおすすめです。

KIWI GOアプリを導入した場合、健康経営度調査においては「健康状態にかかわらず全従業員に対する疾病の発⽣予防」「従業員間のコミュニケーションの促進」の項目に記載可能です。

また結果的に健康経営優良法⼈2022(⼤規模法⼈部⾨)認定基準の、「コミュニケ-ションの促進に向けた取り組み」や「運動機会の増進に向けた取り組み」にもつながります。

従業員の働きやすい環境作りや健康経営を目指す企業は、ぜひ取り入れてください。