多角的な施策が要求される健康経営において、特に重要なのがコミュニケーションです。
テレワークの普及やメンタルヘルスの問題が広がる現代では、コミュニケーションの不足が従業員の健康や企業の業績に影響を与える恐れがあります。
実際、従業員同士の会話機会が減り、コミュニケーションに齟齬が出るようになっていると悩んでいる企業は少なくありません。
そこで本記事では健康経営とコミュニケーションの関係性や効果的な施策例を紹介します。
この記事を参考にコミュニケーションの活性化に取り組んでみてはいかがでしょうか。
目次
健康経営とは?
健康経営とは、企業が従業員の健康を単に保つだけでなく、その健康を経営戦略の一部として位置づける取り組みです。
経済産業省の定義によれば、このような取り組みは従業員の健康管理を経営的視点で戦略的に行うものとされています。
参考:経済産業省「健康経営」
健康経営により従業員の活力や生産性が向上すれば、企業業績や株価の向上にも繋がると考えられています。
より詳しく健康経営について知りたい方は、次の記事もご覧ください。
あわせて読みたい:健康経営とは?基本的な概念から進め方を徹底解説!
健康経営にコミュニケーションが必要な理由
コミュニケーションが不足している状態だと、従業員の心身の健康に影響が出る可能性があります。
従業員が心身ともに健康に働ける環境を作る健康経営において、コミュニケーション不足への対策は避けられない課題です。
コミュニケーションが盛んであれば、企業文化も活性化します。
上司と部下、さらには他部署との連携がスムーズに進むため、会社全体の業績向上やイノベーションに期待できます。
健康経営とコミュニケーションは深く関係しているため、健康経営を進める企業はコミュニケーションの改善に力を入れる必要があります。
コミュニケーション不足による健康面のリスク
ここでは、コミュニケーション不足が健康面に与えるリスクについて具体的に解説します。
ストレスの増加
コミュニケーションが不足した状態では、次のような要因から従業員のストレスが増大します。
- うまく情報の共有ができない
- 従業員同士で誤解や不満が生じやすくなる
- 意見を率直に伝えられない
情報の共有が阻害され、誤解や不満が高まると、従業員同士の信頼関係にも影響を及ぼしかねません。
職場の人間関係が悪化し、従業員の孤立感が高まる可能性もあります。
またストレスは心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めるとする調査結果もあります。
従業員の健康を維持するためにも、充実したコミュニケーションは欠かせません。
うつ病のリスクを高める
コミュニケーションが不足すると孤独感や孤立感が高まり、心の健康が崩れやすくなります。
特に近年のテレワークの普及により、「テレワークうつ」という新しい健康問題が話題になっています。
テレワークうつとは、在宅勤務によって溜まるストレスによりうつ病のような症状が現れる状態です。
このテレワークうつの原因として、コミュニケーションの不足が指摘されています。
特にテレワーク下において、従業員自らコミュニケーションの機会を作ることは困難です。
そのため企業主導で、コミュニケーション不足への対策を積極的に検討する必要があります。
参考:厚生労働省 テレワークにおけるメンタルヘルス対策のための手引き
免疫力の低下
コミュニケーションの不足によりストレスが増加すると、自律神経のバランスが崩れ免疫力に悪影響を与える恐れがあります。
参考:独立行政法人 労働者健康安全機構 神奈川産業保健総合支援センター『ストレスと免疫力』
ストレスが過度になり自律神経のバランスが崩れた場合、食欲不振や引きこもり、不眠症などの生活習慣の乱れを引き起こす可能性があります。
生活習慣が乱れるとバランスの取れた食事や運動、十分な睡眠が実施できなくなり、免疫力の低下に繋がります。
コミュニケーションを促進することは、対人関係の改善等の心理面への影響だけでなく、身体面への影響でも重要だと考えられます。
コミュニケーションの充実に向けて、組織全体で対策を実施する必要があります。
コミュニケーション不足による経営面のリスク
コミュニケーション不足は健康面だけでなく、経営にも深刻なリスクを招く可能性があります。
ここからはコミュニケーション不足の影響により考えられる経営面のリスクを解説します。
モチベーションや生産性が低下する
従業員は情報共有や意見交換を行うことで自らが組織に属していることを実感したり、自らの仕事の評価に触れることができます。
つまり自らが組織に属していると感じることで、仕事に対する意欲の向上に繋がります。
しかしコミュニケーションが不足し情報共有が十分にできない場合、従業員の帰属意識は低下し、モチベーションも低下します。
モチベーションが低下すると、生産性の低下にも繋がりかねません。
さらに、コミュニケーション不足により、従業員のストレスが増加する可能性もあります。
ストレスも同様にモチベーションを低下させる要因となるため、企業において大きな問題です。
顧客へのサービスの質が低下する
コミュニケーション不足により社内での情報共有や意思決定が滞れば、顧客へのサービスにも影響を及ぼしかねません。
例えば従業員同士で十分な引き継ぎが行われず、これまで行われていたサービスが提供できなくなるケースが考えられます。
また情報共有が行われず納期遅延に繋がるケースも考えられます。
長期欠勤に繋がる可能性がある
従業員同士のコミュニケーションが減りストレスが増大すると、精神疾患による長期欠勤に繋がる可能性もあります。
ストレスによる疾患の一例としてうつ病があり、重度のうつ病になると、約1年〜2年もの治療期間が必要となることがあります。
参考:厚生労働省 こころの耳
うつ病は、誰でもかかる可能性がある病気です。
複数の従業員が長期欠勤することになれば、企業の業績に与える影響も大きくなるでしょう。
社内のコミュニケーション不足を解消するための施策例
社内のコミュニケーション不足は、業績低下や従業員の長期欠勤に直結する深刻な問題であると言えます。
具体的な対策の一例として、ここでは社内のコミュニケーション不足を解消するための施策例を解説します。
定期的にチームミーティングを実施する
定期的なミーティングでチーム内のメンバーが話す機会を作ると、仕事の進捗や課題、さらには新しいアイデアを共有できます。
またメンバー同士が実際に顔を合わせることでチーム内のコミュニケーションが円滑になり、信頼が生まれるきっかけとなります。
信頼関係を築くことができれば、メンバーが口にしづらい小さな悩みやアイデアも、ミーティングで気軽に話せるようになるでしょう。
一度はじめたチームミーティングは、継続して行うことがポイントです。
繰り返しミーティングを行えばメンバーが開かれたコミュニケーションの場に慣れ、より積極的に意見や情報を共有する文化が形成されていくでしょう。
社内SNSを活用する
メールや電話とは異なり、社内SNSでは常にリアルタイムで情報を発信できます。
社内SNSを活用することで、仕事に関する重要な通知や急な変更点も素早く共有可能です。
さらにコメントやいいね機能を通じて他のメンバーからの反応も即座に得られることから、孤独感の解消に繋がります。
また社内SNSでメンバー同士が趣味や特技、懇親会や社内イベント等の情報を共有するようになれば、働く場の雰囲気やチームの一体感がさらに高まるでしょう。
オフィス環境を整備する
オフィス環境を整備すると、話しやすい雰囲気が生まれ信頼関係の醸成に繋がります。
例えば、固定席を設けないフリーアドレスや従業員の仕事の内容に応じて席を変えるABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)などを導入することで、従業員同士の交流を促すことができます。
異なる部署や役職の人たちとも、自然な形で交流するチャンスが生まれます。
さらに従業員同士が気軽に雑談をしたり、休んだりできるコミュニケーションスペースの設置も有効です。
スペース内では従業員が気軽に雑談や休憩ができるので、仕事以外の話題でもコミュニケーションが深まります。
趣味から交流できる場を作る
趣味や活動を通じた交流は、従業員同士の精神的な距離をさらに密接に近づける重要な手段です。
具体的には社内で趣味のクラブやサークルを設立することでメンバー同士が共通の趣味や関心を持つため、コミュニケーションが自然と活発になります。
趣味の活動が新しい人脈の形成を促し、異なるバックグラウンドや経験を持つ人々との接触の機会を与えます。
新たな出会いの場を作り新しい視点やアイデアが交換されることで、新規事業や新製品の開発にも繋がることもあるでしょう。
従業員同士が協力できるイベントを開催する
次のようなイベントを開催することも、従業員同士の一体感を高めることに有効です。
- 社員旅行
- 社内運動会
- ウォーキング大会
- ランチ会
- 懇親会
仕事とは離れたカジュアルなイベントでは部署内だけでなく、幅広い交流のきっかけを作ることができます。
例えば社内運動会であれば、普段接点のない部署の人々が協力して競技に参加することで新たな協力関係や信頼関係が築かれます。
さらに企画段階から従業員と連帯することで、さらなる一体感も生まれます。
イベント内容を従業員同士のチームに任せれば、組織内での連携が自然と深まるでしょう。
バーチャルイベントを開催する
バーチャルイベントとは、オンライン上で開催される仮想的なイベントです。
バーチャルイベントには、次のようなものがあります。
- バーチャル展示会
- バーチャル修学旅行
- バーチャルコンサート
- バーチャルオフィス
- 運動習慣化アプリ
バーチャルイベントは開催場所を問わないため、遠くの拠点や在宅勤務の従業員も簡単に参加できます。
直接的な交流の機会を設けることが難しい場合は、バーチャルイベントを導入して従業員同士の一体感を高めることも有効です。
まとめ:コミュニケーションの向上は健康経営の促進に繋がる
コミュニケーションが不足すると、従業員の健康リスクが高まります。
そのため健康経営において、従業員の交流の機会を増やすことは欠かせない取り組みといえます。
コミュニケーションが不足していると感じる場合、今回紹介した施策に積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか。
具体的な施作として、今回紹介したウォーキングイベントのように、運動を通じてコミュニケーションを向上させたい場合には、ウォーキングイベントの開催ができる「KIWI GO」がおすすめです。
KIWI GOにはギルド機能もあり、同じ趣味を持つ従業員同士で交流ができます。
社内コミュニケーションの向上は、健康経営を成功させる鍵となる要素です。
コミュニケーション不足、従業員の運動不足にお悩みの企業は、ぜひKIWI GOの導入を検討してみてください。